行政書士の求人に応募して実務経験を積む事は可能か?



行政書士事務所を開業するのに重要になるのが、経験です。

経験、つまり実務や事務所運営のノウハウは、これから開業するものにとって喉から手が出るくらい欲しいものです。

現実的な話、もし実務が出来なければ、どんなに集客しようが仕事になりません。

中では、依頼を引き受けたものの何もできないで、ほったらかし・・・そして訴えられて、ライセンスの剥奪や損害賠償請求に発展したりする話もあります。

最悪の事態そうならなくても、見込み客からの問いに対して消極的な受け応えになることにより、自信がない空気が見込み客に伝染し、面談から依頼をいただけるまで到達しないこともあります。

つまり、経験とは、事務所運営していく上で核となるものです。

それでは、どこか行政書士事務所で働かせてもらって実務や事務所運営のノウハウを身に付けてから独立すればいいのではないのか?という答えが思いつくかと思います。

果たして、そういった思考は甘い考えなのでしょうか?

この記事では、現役の行政書士が、行政書士求人に応募して実務経験を積む事は可能か?について解説していきます。

行政書士の求人に応募して実務経験を積む事は可能か?

行政書士の求人に応募して実務経験を積む事は可能か?

口頭で説明したように、開業する前に実務経験や事務所の運営のノウハウが身に着ければどんなに良いことでしょうか?

こういった悩みを解決する最も最善の策が、どこかの行政書士事務所に雇われ経験を積む事です。

それでは、行政書士求人は数多く存在するのでしょうか?

また、求人があるとしたらどれぐら募集がかかっているのでしょうか?

行政書士の求人は少ない

民間の求人サイトや雑誌、ハローワークで探してみるとわかると思いますが、行政書士の求人はそう多くはありません。

運よく募集している事務所を見つけたとしても、倍率が高く、面談にたどり着くのは困難です。

これは友人の行政書士に聞いた話なのですが、その友人の事務所が求人した際の応募倍率が100倍だったとか。

1名雇用において、100人の応募者の中から書類選考し、その中から数名面談し、雇用者をしぼっていくことになります。

そういった多数の応募者の中からしぼっていく要素となるのが、言語がバイリンガルであるだとか即戦力人材などのように特色がある人を選んでいきます。

また、実際に事務所が望む人材も、そういった特色のある人となります。

※余談ではありますが、もし、私の事務所で求人する場合は、やはりそういった特色ある人を求めます。

これはその事務所のスキームにもよりますが、何もできない初心者の人材よりも、やはり特色のある人材が重宝されるのは明らかです。

そのため、多くの応募者はそういった事務所の思惑からはずれ、応募を断られるのが実状となっています。

逆に言えば、そういった特色がある場合は大いに求人の採用のチャンスはあるといえるですが、そういった特色がない場合は、最初からあきらめた方が良いかもしれません。

他士業の事務所で経験を積む

他士業の事務所で経験を積む
それでも、ある程度経験してから開業したいと思う人は、比較的求人が多い税理士事務所や社労士事務所の事務所の求人も視野に入れて探してみるといいかと思います。

その中でも、特に税理士事務所はお勧めです。

税理士は無試験で行政書士登録ができるため、たとえ勤めた事務所が行政書士業務を行っていなくても、自分次第で行政書士登録をする可能性があるからです。

それには日々の業務をしっかりこなすことは当然で、事務所へ「自分にまかせてください」と熱意をアピールすることも必要となってきます。

また、他士業の実務のノウハウは行政書士業務に生かすことができる部分もあり、全く無駄にはなりませんし、士業の事務所運営のノウハウは少なからず手に入れる事ができます。

行政書士事務所の求人に採用されるよりも、現実的な話ではあると思います。

行政書士登録をしてから求人を探す

ハローワークや求人誌等の求人から探すのではなく口コミで探す方法もあります。

これは実際に行政書士登録をしてみないと実感がわかないかと思いますが、行政書士事務所は実は多数存在します。

中には補助者を探している事務所も結構あり、これら事務所は先ずハローワークや求人誌等に募集する前に、口コミなどで探している事が多いです。

なぜ、求人の募集をかけないかというと、新人の同業者や知り合い等に声をかけた方がその人の人となりも知っているので安心して雇用することができるからです。

行政書士の組織は、日本行政書士会連合会のもと、各都道府県ごとの「単位会」があり、さらにその下の「支部」があります。

「単位会」や「支部」では、多数の催し物があり、多くの先輩行政書士と交流を持てるように席が設けられています。

こういった席で、先輩行政書士と交流をもち、直接自分を売り込んだり、知り合いの方を紹介してもらったりします。

こうやって、自分が行政書士として活動していく傍ら、実務経験を積ませていただける事務所を探していくことができるのです。

探していると、週2、3回程度なら来てほしいという事務所が結構あることに気づきます。

そういったお話がもしあれば、積極的にどんどん自分を売り込んでいけば、採用される確率はかなり上がるかと思います。

実際に私の同業者の知り合いでも、採用されている人は大人数いますし、私自身も事務所に手伝いにこないか?と誘われたことは何度もあります。

行政書士の師匠を作ろう

それでも、働かせてもらえる事務所が見つからない場合、行政書士の師匠を作りましょう。

わからないことがあれば師匠に聞けばいいのです。

行政書士の業務は多岐にわたります。

自分の専門外の業務の依頼も、かなりきます。

そんな時、相談ができる経験豊富な先生が知り合いにいれば強みとなります。

また、事務所運営のノウハウも気に入ってもらえれば教えてくれます。

「単位会」や「支部」に行くと、多くの行政書士の方々が出席しておられますので、積極的に自分で売り込んで相談に乗っていただける先生を見つけましょう。

もし親身に相談にのっていただける先生ができれば、他の事務所で実務経験を積まなくても、自分でやりながら都度壁にぶつかった際に相談に乗ってもらうことができす。

もちろん、日々の感謝を忘れずに、なるべく自分自身で調べてなるべくお手間を取らさないようにする心がけも必要です。

行政書士を2年3年4年・・・と続けていくと、徐々にわからない事柄は減ってきますが、それでもやはり問題はでてくるものです。

そういった時に、経験豊富な師匠からのアドバイスはとても心強く励みにもなるのです。

行政書士の実務は超ハード

行政書士の実務は、試験に合格するよりも難しいです。

そのため、実務ができなくて廃業する人も相当数存在します。

開業する前はピンとこないかもしれませんが、実際案件に取り組んでいけば何の話をしているのか理解すると思います。

開業したての頃は、どこか行政書士事務所に勤めるにしよ、自身でやりながら覚えるにしよ、実務ができるようになるまでは「なんでも屋」になって、できるだけ多くの案件に触れることが重要になります。

以下は、「新人行政書士は仕事を選ばない「なんでも屋」になるべき」という記事です。

新人行政書士は仕事を選ばない「なんでも屋」になるべき

2022年8月9日

様々な案件に取り組んで、3年、4年経過してやっと行政書士の仕事のやりがいがわかってくるかと思います。

石の上にも3年です。

それまでは、自身のスキルを高めるため、頑張って実務勉強をしていきましょう。

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