一人親方(ひとりおやかた)とは営業者の立場で労働に従事する大工や、左官を営む職人のことをいいます。
一人親方は経営者であり、労働者でもあります。
それでは、経営者でもあり、労働者でもあるならば労災保険法での位置づけはどうなるのでしょうか?
労災保険とは、労働者のための保険制度となります。
そのため、これら労災保険の制度は経営者には及ばないこととなっています。
それでは一人親方は労災保険に加入できないのでしょうか?
答えは、特別加入制度という制度を使って、加入することができます。
本記事では、この一人親方の労災保険加入について詳しく解説していきます。

目次
一人親方は労災保険に入れない?

つまり、冒頭で説明したように、一人親方の場合は労働者とはならないために、労災保険に加入する義務もなく、また加入する事ができません。
しかしながら、一人親方は営業者の立場で従事するものの実態は一般労働者と何らかわりません。
そのため、労働者ではないが特別に労働保険に加入ができる特別加入制度というものが用意されています。
これは、経営者といえども、労働者と変わらない働きをしている人のための、救済制度として設けられています。
そのため一人親方でも労災保険に加入することができるようになっているのです。
一人親方の特別加入制度とは
労働基準法や労災保険法は、労働者ではない事業主や自営業者は適用されませんが、これら労働者でない人の一部には、業務の実態や災害の発生状況からみると労働者に準じて労災補償制度の保護が必要であると認められる人がいます。
こういった、一定の人に希望により、特別に労災保険に加入を認められるのが特別加入制度となります。
特別加入制度は下記の4種類となります。
- 中小事業者等の特別加入
- 一人親方等の特別加入
- 特定作業従事者の特別加入
- 海外派遣者の特別加入
一人親方等の特別加入者の範囲

労災保険制度では、この一人親方範囲を確定するため、以下のように定義づけています。
この範囲に入る条件の人が、一人親方等として特別加入者の労災保険の加入することができるのです。
特別加入することができる一人親方、その他の自営業者は、次の1~7の事業を、常態として労働者を使用しないで行う者に限られています。
1.自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など)
2.建設の事業(土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは解体又はその準備の事業)(大工、左官、とび職人など)
3.漁船による水産動植物の採捕の事業(7に該当する事業を除きます。)
4.林業の事業
5.医薬品の配置販売(医薬品医療機器等法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業)の事業
6.再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
7.船員法第1条に規定する船員が行う事業なお、一人親方、その他の自営業者が行う事業に従事する者、すなわち労働者以外の者で、その事業に従事している家族従事者も特別加入できます。
また、労働者を使用する場合であっても、労働者を使用する日の合計が1年間に100日に満たないときには、一人親方等として特別加入することができます。
労働者を使用すると「一人親方等の特別加入」に加入できない?
上記では、一人親方の特別加入について解説してきましたが、それでは一人親方がもし労働者を使用することに至った場合、特別加入制度はどうなるのでしょうか?
その答えは、「一人親方等の特別加入」には加入することができませんが、「中小事業者等の特別加入」に加入することとなります。
労働者を使用することによって一人親方ではなく、事業主と捉えられるようになります。
そのため、特別加入はできますが、「中小事業者等の特別加入」の項目に変更となるのです。
また、中小事業者等の特別加入は現に労働者を使用していなくても、使用する見込みがあれば加入が可能となります。
一人親方の特別加入労災保険の申請手続

受付けはお近くの労働基準監督署又は労働局となります。
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いかがだったでしょうか?一人親方が加入できる労災保険についての解説でした。
備えあれば憂いなし。
万が一の事故などに備え、保険関係の制度やカバーされる範囲など、見直しをすることをおすすめします。
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