建設業許可を取得する5つの要件の内の一つに「欠格要件と誠実性」があります。
建設業許可を取得するためには、主に5つの要件をクリアしなければなりませんが、その中でも「経営業務管理責任者」「専任技術者」の要件は大きな壁となります。
しかしながらこれらを乗り越えたとしても、まだまだ建設業許可取得までは8合目ぐらいとなります。
残りの3つ要件も重要度が高く、そのうちのこの「欠格要件と誠実性」も含まれます。
この「欠格要件と誠実性」でコケてしまえば、経営業務管理責任者になるために5年間経営の経験をつんできたとか、専任技術者になる為に頑張って勉強をし、資格を取ったとか、頑張って積上げてきたことが泡となってしまします。
気を引き締めて取り掛かかる必要があります。
では、いったいどういった要件なのでしょうか?
本記事では、この「欠格要件と誠実性」について詳しく解説していきます。
目次
建設業許可の欠格要件と誠実性とは
- 書類の欠格事由
- 人の欠格事由
この二つ欠格事由は誠実性を問われ、どちらに該当しても許可はとれません。
また、許可がとれたとしても、後から該当すれば許可の取消し事由になりますのでご注意ください。
つまり、これらに該当しないことが許可の要件となります。
1.書類の欠格事由
許可を申請するにあたり、提出書類や添付書類に「虚偽の記載」や「記載漏れ」などがあれば欠格事由にあたります。
つまり、嘘をついて作成した書類を申請したら欠格事由にあたるということです。
これは許可がでた後も同様で、許可がでた後にこれらの事実が発覚すると許可の取り消しになりますのでご注意ください。
また、虚偽申請が発覚した際は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(建設業法第47条違反)の罰則もあります。(⇒建設業法に違反とするとどうなる?)
2.人の欠格事由
人の欠格事由に「人」には、法人では会社の役員等、個人では事業主があてはまります。
この「人」が下記の事由にあてはまると、欠格事由として許可は受けれなくなります。
- 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ないもの
- 不正の手段で許可を受けたことなどにより、許可を取り消されて5年を経過しない者
- 許可の取り消しを免れるために、取り消し前に廃業の届出をして5年を経過しない者
- 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、または危害を及ぼすおそれが大であるとき、または請負契約に関し不誠実な行為をしたことなどにより営業の停止を命ぜられ、その営業期間中のもの
- 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年経過しない者
- 建設業法若しくは一定の法令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
もちろん、許可が出た後にこれら事由に該当すれば、許可は取り消されることとなります。
例えば、法人で申請していた場合、社長だけでなく、役員になっている者も「重い刑罰の交通事故」「傷害罪」「横領罪」「恐喝罪」などの禁固以上の刑罰を受けていると、欠格事由に該当し、許可は下りないのはもちろん、許可取得後でも欠格事由に該当し、許可の取消しがあります。
建設業許可の欠格要件による取消し
欠格要件に該当すると、たとえ建設業許可を取得した後でも、取り消されることとなります。
それでは、建設許可業者の会社の役員が、もし交通事故で「禁固以上の刑」処された場合はどうなるのでしょうか?
結論から言えば、欠格要件に該当し、建設業許可は取り消されます。
禁固以上の交通事故
交通事故には、「人身事故」と「物損事故」があります。
刑罰の対象となるのは、ほとんどが「人身事故」で、飲酒運転での人身事故など、悪意があるものに限られます。
例えば、飲酒運転での事故の場合で人を負傷させた場合「危険運転致死傷罪」で15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役が科されます。
その他にも、「過失運転致死傷罪」で禁固以上の刑が科されます。
建設業許可業者の役員が、これらの交通事故を起こせば、もちろん建設業許可は取消しとなります。
禁固以上の傷害罪
悪質な傷害罪で15年以下の懲役に処せられた場合、建設業許可の欠格事由に該当します。
つまり、喧嘩をして傷害罪で罪が確定すると、建設業許可は欠格要件に該当し取消されることとなります。
そうならないためにも、日頃からコンプライアンスを意識することが、建設業許可を維持するためには重要になってくるのです。
建設業許可取得を依頼する
いかがだったでしょうか?建設業許可要件の欠格要件と誠実性についての解説でした。
このように、建設業許可を取得するためには、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。
しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。
そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。
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