建設工事は2つの一式工事と27の専門工事に分かれます。
この27の専門工事には様々な業種がありますが、その内の1つが機械器具設置工事業となります。
本記事では、この機械器具設置工事業について解説していきます。

目次
建設業の機械器具設置工事とは

機械器具設置工事とは、機械器具の組み立て等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取り付ける工事のことです。
イメージがわきにくいかもしれませんが、機械器具とはいわゆる遊戯施設やエレベーターのことです。
機械器具設置工事には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては「電気工事」、「管工事」、「電気通信工事」、「消防施設工事」等と重複するものもありますが、これらについては原則として「電気工事」等それぞれの専門の工事の方に区分するものとされています。
これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が「機械器具設置工事」に該当することとなります。

⇒「給排気機器設置工事」とはトンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事であり、建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は「機械器具設置工事」ではなく「管工事」に該当します。
⇒公害防止施設を単体で設置する工事については、「清掃施設工事」ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに区分されます。例えば、排水処理設備は「管工事」、集塵設備は「機械器具設置工事」と区分されます。
機械器具設置工事業の例示は、以下の工事などが挙げられます。
- プラント設備工事
- 運搬機器設置工事
- 内燃力発電設備工事
- 集塵機器設置工事
- トンネル・地下道等の給排気機器設置工事
- 揚排水機器設置工事
- ダム用仮設備工事
- 遊技施設設置工事
- 舞台装置設置工事
- サイロ設置工事
- 立体駐車設備工事
機械器具設置工事業の例示
プラント設備工事
プラント設備工事とは、原子力、火力発電所、製鉄、石油プラント、化学プラントなどの建設、定検、改造、工事での製作、施工 を請負う工事のことをいいます。
運搬機器設置工事
運搬機器設置工事とは、機械器具の組立等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取り付ける工事のことをいいます。
内燃力発電設備工事
内燃力発電設備工事とは、ディーゼルエンジン,ガソリンエンジンなど内燃機関を用いて発電する機器を設置する工事のことをいいます。
トンネル・地下道等の給排気機器設置工事
トンネル・地下道等の給排気機器設置工事とは、トンネル・地下道等の給排気機器を設置する工事のことをいいます。
揚排水機器設置工事
揚排水機器設置工事とは、ポンプ等の揚排水機器を設置する工事のことをいいます。
ダム用仮設備工事
ダム用仮設備工事とは、ダム用の仮設備を設置する工事のことをいいます。
遊技施設設置工事
遊技施設設置工事とは、遊園地やテーマパークの遊戯施設を設置する工事のことをいいます。
舞台装置設置工事
舞台装置設置工事とは、舞台装置を設置する工事のことをいいます。
サイロ設置工事
サイロ設置工事とは、穀物や飼料用生草類の貯蔵施設を設置する工事のことをいいます。
立体駐車設備工事
立体駐車設備工事とは、立体式の駐車場を設置する工事のことをいいます。
機械器具設置工事業の大阪府知事許可を取得する要件

- 経営業務管理責任者
- 専任技術者
- 財産的基礎要件
- 欠格要件と誠実性
- 営業所の要件

1.経営業務管理責任者がいること
許可申請者が法人の場合は常勤の役員の中に、個人の場合は事業主本人が、経営業務管理責任者であることが要件です。(⇒経営業務管理責任者の詳細)
下記のうち、(イ)(ロ)の、いずれかの要件を満たしており、適切な社会保険に加入している人が造園工事業の経営業務管理責任者になれます。
(イ)次のいずれかに該当する者であること。
- 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
(ロ)次のいずれかに該当する者であって、かつ、当該常勤役員等を直接に補佐する者として、①~③に該当する者をそれぞれ置くものであること。
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の建設業の役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位における 経験を有する者
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の役員等の経験を有する者
+
②許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者
③許可申請等を行う建設業者等において5年以上の運営業務の経験を有する者
2.専任技術者がいること
許可申請者の役員や従業員の中に、専任技術者がいることが要件です。(⇒専任技術者の詳細)
以下の1.2.3.4.のどれかに該当すれば専任技術者になれます。
1.以下のどれかしらの資格を持つ方
・技術士法「技術士試験」 機械・総合技術監理(機械)
・技術士法「技術士試験」 機械「流体工学」または「熱工学」・総合技術監理(機械「流体工学」または「熱工学」)
2.大学にて指定の学科(建築学、機械工学、電気工学)を卒業し、3年以上の実務経験がある方
3.高校にて指定の学科(建築学、機械工学、電気工学)を卒業し、5年以上の実務経験がある方
4.機械器具設置工事業に関する10年以上の実務経験がある方
3.財産的基礎要件
許可をとるには財産的基礎要件が必要になります。(⇒財産的基礎要件の詳細)
以下のうちどちらかを満たせば財産要件はクリアできます。
・直前の決算書において自己資本(純資産)の額が500万円以上である
・500万円以上の預金残高がある
4.欠格要件と誠実性
許可をとるには欠格要件に該当していないこと、誠実であることが求められます。(⇒欠格要件と誠実性の詳細)
建設業許可の欠格要件
法人の役員や事業主本人、支店長等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。
- 成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者
- 不正が原因で建設業許可を取り消され、その後5年が経過してない者
- 法律に違反して刑を受け、その刑の執行が終わり、もしくはその刑の執行を受けなくなってから5年が経過してない者
建設業許可の誠実性
法人の役員や事業主本人、支店長、顧問、株主等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。
- 建築士法・宅地建物取引業法等で「不正な行為」または「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取消処分を受け、その処分の日から5年を経過していない場合
- 暴力団の構成員であること
- 暴力団により実質的な経営上の支配が行われていること
5.営業所の要件
建設業の営業を行う事務所を有する必要があります。営業所とは常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所となりますので、単なる連絡事務所には該当しません。
したがって登記上の住所にある営業所がこういった事務所でない場合は、請負契約の見積り、入札、契約締結等に係る実体的な事実上の住所が必要にあります。(⇒営業所の要件とは)
<大阪府に提出する書類>
事務所の使用権限が確認できる書類の提出を求められる場合があります。
自己所有の場合
・建物の登記簿謄本
・固定資産評価証明書
・固定資産税・都市計画税の納税通知書
・登記済証(権利書)
・登記識別情報通知
・建物の売買契約書(登記が確認できない場合)
賃貸等の場合
・賃貸借契約書
・使用貸借契約書
建設業許可取得を依頼する

いかがだったでしょうか?機械器具設置工事業の建設業許可取得方法についての解説でした。
この記事で解説してきたように、建設業許可を取得するためには、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。
しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。
そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。
当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。
当事務所は、建設業許可の許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。
また、建設業許可の取得代行はもちろん、決算変更届や変更届などの各種手続きをフルサポートさせていただいております。
行政手続きのプロによる手続き代行を求めているのであれば、是非アカツキ法務事務所へお任せください。