建設工事は2つの一式工事と27の専門工事に分かれます。
この27の専門工事には様々な業種がありますが、その内の1つがとび・土工・コンクリート工事業となります。
本記事では、このとび・土工・コンクリート工事業の建設業許可の取り方や要件などについて解説していきます。
目次
建設業のとび・土工・コンクリート工事とは
実際に工事の内容としても下記の5種類に分かれており、業種の境界がわかりずらくなっていますが、これら工事を総称して、とび・土工・コンクリート工事と呼ばれています。
とび・土工・コンクリート工事の内容として以下のものとなります。
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て
- くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事
- 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
- コンクリートにより工作物を築造する工事
- その他基礎的ないしは準備的工事
とび・土工・コンクリート工事業の例示
足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て
とび工事での鉄骨組立て工事など、イメージしやすいと思います。
- とび工事
- ひき工事
- 足場等仮設工事
- 重量物の揚重運搬配置工事
- 鉄骨組立て工事
- コンクリートブロック据付け工事
くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事
基礎工事の一つで、地盤が軟弱な場合に建物の荷重を地盤が支持できるように杭を打ち込む工事のことをいいます。
- くい工事
- くい打ち工事
- くい抜き工事
- 場所打ぐい工事
土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
土関係の工事をいいます。
- 土工事
- 掘削工事
- 根切り工事
- 発破工事
- 盛土工事
コンクリートにより工作物を築造する工事
コンクリート関係の工事をいいます。
- コンクリート工事
- コンクリート打設工事
- コンクリート圧送工事
- プレストレストコンクリート工事
その他基礎的ないしは準備的工事
その他の工事を集約しています。
- 地すべり防止工事
- 地盤改良工事
- ボーリンググラウト工事
- 土留め工事
- 仮締切り工事
- 吹付け工事
- 法面保護工事
- 道路付属物設置工事
- 屋外広告物設置工事
- 捨石工事
- 外構工事
- はつり工事
- 切断穿孔工事
- アンカー工事
- あと施工アンカー工事
- 潜水工事
とび・土工工事業は、土木系工事と建築系工事を含んでおり、他工事との分類が困難な工事もよく出てきますので以下、説明していきます。
⇒とび・土工・コンクリート工事業は根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行なう工事をいいます。
⇒石工事は建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、擁壁としてコンクリートブロックを積み、はり付ける工事をいいます。
⇒タイル・れんが・ブロック工事はコンクリートブロックにより建築物を建設する工事をいいます。
⇒基礎工事はほとんどの場合はとび・土工・コンクリート工事業
⇒個人の邸宅における造成工事も原則とび・土工・コンクリート工事業
⇒プレストレストコンクリート工事で橋梁等の土木工作物を総合的に建設する工事は土木一式工事
⇒モルタル・種子吹付け工事において建築物に対するモルタル等の吹付けは左官工事
⇒法面処理等のためモルタル・種子を吹付ける工事がとび・土工・コンクリート工事業
⇒鋼構造物工事は鉄骨の制作、加工から組立てまでの一貫して請け負うのであって、既に加工された鉄骨を現場で組立だけであればとび・土工・コンクリート工事業
とび・土工・コンクリート工事業の大阪府知事許可を取得する要件
- 経営業務管理責任者
- 専任技術者
- 財産的基礎要件
- 欠格要件と誠実性
- 営業所の要件
1.経営業務管理責任者がいること
許可申請者が法人の場合は常勤の役員の中に、個人の場合は事業主本人が、経営業務管理責任者であることが要件です。(⇒経営業務管理責任者の詳細)
下記のうち、(イ)(ロ)の、いずれかの要件を満たしており、適切な社会保険に加入している人が造園工事業の経営業務管理責任者になれます。
(イ)次のいずれかに該当する者であること。
- 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
(ロ)次のいずれかに該当する者であって、かつ、当該常勤役員等を直接に補佐する者として、①~③に該当する者をそれぞれ置くものであること。
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の建設業の役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位における 経験を有する者
- 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の役員等の経験を有する者
+
②許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者
③許可申請等を行う建設業者等において5年以上の運営業務の経験を有する者
2.専任技術者がいること
許可申請者の役員や従業員の中に、専任技術者がいることが要件です。(⇒専任技術者の詳細)
以下の1.2.3.4.のどれかに該当すれば専任技術者になれます。
1.以下のどれかしらの資格を持つ方
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第一種から第六種)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木)または(薬液注入)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(躯体)
・技術士:建設・総合技術監理(建設)
・技術士:建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造物及びコンクリート」)
・技術士:農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)
・技術士:水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
・技術士:森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
・技能検定の1級『とび、とび工、型枠施工、コンクリート圧送施工、
・ウェルポイント施工』のいずれか
・技能検定の2級『とび、とび工、型枠施工、コンクリート圧送施工、
・ウェルポイント施工』のいずれか+合格後3年間の実務経験
・地すべり防止工事+合格後1年間の実務経験
2.大学にて指定の学科(土木工学、建築学)を卒業し、3年以上の実務経験がある方
3.高校にて指定の学科(土木工学、建築学)を卒業し、5年以上の実務経験がある方
4.とび・土工・コンクリート工事業に関する10年以上の実務経験がある方
3.財産的基礎要件
許可をとるには財産的基礎要件が必要になります。(⇒財産的基礎要件の詳細)
以下のうちどちらかを満たせば財産要件はクリアできます。
・直前の決算書において自己資本(純資産)の額が500万円以上である
・500万円以上の預金残高がある
4.欠格要件と誠実性
許可をとるには欠格要件に該当していないこと、誠実であることが求められます。(⇒欠格要件と誠実性の詳細)
建設業許可の欠格要件
法人の役員や事業主本人、支店長等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。
- 成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者
- 不正が原因で建設業許可を取り消され、その後5年が経過してない者
- 法律に違反して刑を受け、その刑の執行が終わり、もしくはその刑の執行を受けなくなってから5年が経過してない者
建設業許可の誠実性
法人の役員や事業主本人、支店長、顧問、株主等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。
- 建築士法・宅地建物取引業法等で「不正な行為」または「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取消処分を受け、その処分の日から5年を経過していない場合
- 暴力団の構成員であること
- 暴力団により実質的な経営上の支配が行われていること
5.営業所の要件
建設業の営業を行う事務所を有する必要があります。営業所とは常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所となりますので、単なる連絡事務所には該当しません。
したがって登記上の住所にある営業所がこういった事務所でない場合は、請負契約の見積り、入札、契約締結等に係る実体的な事実上の住所が必要にあります。(⇒営業所の要件とは)
<大阪府に提出する書類>
事務所の使用権限が確認できる書類の提出を求められる場合があります。
自己所有の場合
・建物の登記簿謄本
・固定資産評価証明書
・固定資産税・都市計画税の納税通知書
・登記済証(権利書)
・登記識別情報通知
・建物の売買契約書(登記が確認できない場合)
賃貸等の場合
・賃貸借契約書
・使用貸借契約書
建設業許可取得を依頼する
いかがだったでしょうか?とび・土工・コンクリート工事業の建設業許可取得方法についての解説でした。
この記事で解説してきたように、建設業許可を取得するためには、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。
しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。
そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。
当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。
当事務所は、建設業許可の許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。
また、建設業許可の取得代行はもちろん、決算変更届や変更届などの各種手続きをフルサポートさせていただいております。
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