毒物や劇物の取扱いは最新の注意が必要であり、その取扱いは「毒物及び劇物取締法」で規定されています。
その中で、毒物劇薬を取扱う事業所は、営業所ごとに「毒物劇物取扱責任者」を選び、その届出をすることが義務付けられています。
つまり、毒物劇物取扱責任者がいなければ、毒物劇物の販売業及び製造行、輸入業を営むことはできません。
それでは、この毒物劇物取扱責任者にはいったいどのようにしたらなれるのか?また、その役割とは?どういったものなのでしょうか。
本記事では、この毒物劇物取扱責任者について、詳しく見ていきましょう。
目次
毒物劇物取扱責任者の主な業務
毒物劇物責任者は、安全面の管理や保健衛生上の危害の防止を目的に主に次の業務を行います。
・事業所の実情に応じた「危害防止規定」、「盗難防止規定」を作成し、他の職員に周知する。
つまり、毒物・劇物の取扱いにおける責任者となります。
盗難や紛失などしないよう帳簿をつけ、しっかり管理することが主な業務なのです。
盗難防止のための保管管理方法
保管管理の具体的な方法は、毒物劇物の種類によって異なりますが、基本的な事柄については法律で定められています。
大規模な事業所になってくると、責任の所在が不明確になってしまいがちになるので、保管管理責任者を指定するなどの工夫をするのも良いいでしょう。
敷地境界線から離れたところに保管する
毒物劇物は、誰もが用意に近づくことができないように保管する必要があります。
関係者以外が手に取れるような場所に置いておくと、盗難の危険性が高くなると同時に、取扱いを知らない人に危害を与える可能性が高くなります。
鍵付きの保管庫に保管する
保管庫はこういった感じでモノタロウやアマゾンで販売されています。
盗難防止のためしっかり鍵がかかるものにしましょう。
帳簿で管理する
以下のような帳簿に、毒物劇物の種類や数量を記載し、紛失がないようにしっかりと管理します。
毒物・劇物の表示をする
毒薬は、黒地に白枠、白字で品名及び「毒」の文字、劇薬は白地に赤枠、赤字で品名及び「劇」の文字の 表示が必要です。
なお、調剤用で装置瓶に入れられたものの表示にも、同様の表示が必要です。
毒物劇物の譲渡手続き
毒物劇物を譲渡した場合は、その都度、次の内容が書かれた書面または電子記録を保存しなければなりません。
②販売又は授与の年月日
③譲受人の氏名及び職業、住所(法人にあっては、その名称と主たる事務所の所在地)
毒物劇物取扱責任者になるには
毒物劇物取扱責任者になるには、国家資格の「毒物劇物取扱者」試験に合格し、事業所によって専任される必要があります。
試験に合格しただけでは、単に「毒物劇物取扱責任者の有資格者」「毒物劇物取扱者の合格者」にすぎないので、注意が必要です。
また、毒物劇物取扱責任者になるには、国家試験に合格するのが一般的な方法ですが、次の者は既に毒物劇物取扱責任者の資格があるので、試験を受験する必要はありません。
・厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者
大学卒業者は、応用化学に関する学課を修了した者、高校卒業者は、高等専門学校、工業高校の主に化学を専攻する学科を卒業した者であれば、毒物劇物取扱責任者になる資格を有します。
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国家試験には3種類ある
毒物劇物取扱者試験には種別が「一般」「農業用品目」「特定品目」の3種類あります。
取る種類によって、それぞれ扱える毒物劇物が異なります。
・一般→全ての毒物・劇物
・農業用品目→農業に関する品目限定
・特定品目→特定の一部毒物・劇物
一般に合格すれば、毒物劇物の全品目を扱う責任者になれますが、他は扱える毒物及び劇物が限定されます。
そのため、全品目を扱える「一般」を受験するのがおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?毒物劇物取扱責任者についての解説でした。
毒物劇物は多大に人体に影響を与えるものなので、しっかりとした保管管理が必要になり、これらを取り扱う者は重大な責任を負っています。
毒物劇物を販売する場合は、これらの責任をしっかり把握し、盗難、紛失がないように常に目を光らせておく必要があります。
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