行政書士業務の数ある中の一つに入管業務があります。
入管業務とは、主に外国人の在留資格、いわゆるビザ取得のサポートなどを行います。
入管業務は、行政書士の人気業務の一つで、この業務をしたいがために行政書士を取得しようと考えている人も少なくはないかと思います。
それでは外国人を相手にする業務なので英語力は必要となるのでしょうか?
ここでは、行政書士の入管業務に英語力は必要かどうかについて解説していきます。
行政書士の入管業務に英語力は必要か?
オーソドックスな入管業務とは、外国人の在留資格交付申請書の作成やサポートを行うもので、これら申請書は全て日本の官公署に、日本語で提出します。
また、在留資格を取得しようとしている外国人は、基本的には日本語話せますので、日本語でヒアリングをし、これら書類を作成していきます。
そのため、英語力はあまり問われません。
入管業務を依頼する外国人は実はアジア人が多い
行政書士に入管業務を依頼する外国人は、アジア人が中心となります。
そのため、英語よりもどちらかというと、中国語やベトナム語が話せる方が重宝されます。
しかしながら、英語と同様に、中国語やベトナム語が話せなくても、外国人がある程度日本語を話せるので、いわゆるオーソドックスな入管業務では、行えます。
なぜ日本語を話せる外国人の依頼者が多いのか?
日本語で日常会話以上話せることが、在留資格取得の取得要件になっていることが多いからです。
オーソドックスな入管業務で、依頼の多い在留資格は、「経営・管理ビザ」や「技人国ビザ」となります。
これらは、就労ビザといわれ、日本語が話せない外国人には、よほどのことがない限りビザは発給されません。
つまり、「日本語が話せないのに、日本で働けるのですか?」と問われるからです。
それでも日本語が話せない依頼者もいるが?
それでも日本語が話せない依頼者は中にはいます。
例えば、身分系の在留資格では、配偶者ビザの場合です。
配偶者ビザは、配偶者が日本国籍を持っていたり、永住権をもっていれば、申請できますが、日本語能力要件は緩和されています。
しかしながら、その配偶者が日本語を話せますので、通訳してもらえばコミュニケーションをとることができます。
また、現在では外国人が大勢日本に住んでいますので、容易に通訳者をバイトで雇用することができます。
必要な場合は、適宜他者に頼れば、いいわけです。
入管業務は英会話ができなくてもできる
上述してきたように、英語力、いうなれば英会話ができなくても、オーソドックスな行政書士の入管業務はできると言えます。
実際、私が知る限りでは、入管業務に携わっている行政書士で、留学経験が無い行政書士は多数を占めています。
では、逆にどういった業務で英語力が試されるのでしょうか?
英語力が必要になる行政書士業務とは?
では、英語力が必要になる行政書士業務とは一体どんな業務なのでしょうか?
それは、外国法人の契約書を作成する等、M&Aや海外企業の日本法人をつくる国際業務をする場合です。
つまり、国際の専門的業務をする場合に必要となります。
かなり専門的になりますので、同業者における競合他社も少なく、今から目指すのであれば穴場的業務かと思います。
>>行政書士の国際業務についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
入管業務は、国際業務の中のほんの一業務であって、国内の書類作成をするにすぎません。
たしかに、入管業務だけするのであれば英語力は必要ありませんが、国内業務にとらわれずに海外に目を向ける場合は、英語力も必要になりますので、自分の能力に合わせて業務範囲を決めていきましょう。