株式投資は9:1の原理で動いています。
これは何の割合かといいますと、負ける人9割、勝つ人1割という事です。
株式市場はゲームに置き換えていえば、上がるか下がるかだけを予想するマネーゲームだとも言えます。
その理論から言えば5:5にならないとおかしいのですが、なぜかこうならないのです。
では、何故:5:5にならないのか、ここでは詳しくそれを解説していきます。
目次
株は初心者が負けるように仕組まれている
コツコツドカンの法則
株式投資を初めて間もなくの頃、こういった体験をしたことはないでしょうか?
テクニカル分析を一通り勉強した後、このテクニカル分析を使い順調に勝ちを進めていた。
そして、「もっと勝てる」と欲がでて大勝負にでたところで大負けをしてしまい、結局トータルで大損をしてしまったという体験です。
こういった体験はあなただけではないのです。
実は、そうなるように仕組まれているのです。
ビギナーズラックでよほど強い銘柄をひかない限りは大抵の人はこんな感じで負けてしまいます。
これは、投資の世界では「コツコツドカン」といいます。
なんだか間の抜けたネーミングではありますが、これは法則のようなものです。
コツコツと利益を積み重ねていって、最後にドカンと奪うというものです。
ギャンブルの心理
このコツコツドカンの法則は何かに似ていないでしょうか?
そうです。
カジノでディーラーが仕掛ける、最初はコツコツ勝たせて調子に乗らせたところでドカンと奪う、あれです。
株は投資であり、ギャンブルではないのですが、もちろんこの心理は仕掛ける者(ゲームマスター)に使われています。
さらに現在ではこれら人の心理を人工知能(AI)、いわゆるビッグデータを使い操作をしていますから、従来よりもかなり正確に操作は可能となっています。
では、あなたが
・買ったらすぐに値下がった
・売ったらすぐに値上がった
といった体験をしたことはないでしょうか?
こういった状況に陥りますと、投資仲間ではよく「私の背後に誰かがいて、私を監視している。私が勝った時に下がり、上がった時に下がるのはそのせいだ。」
と、冗談まじりによく話しますが、これはあながち冗談ではないのです。
誰に?
そう最新の人工知能をつんだアルゴにです。
私達個人投資家が使っている取引ソフトよりもずっと優れている、大口のデータ解析付きプログラムがそれを可能にしています。
アルゴとは
では現在、市場で猛威をふるっているアルゴとはどういったものなのでしょうか。
2010年より東証に導入された「アローヘッド」という取引システムにより可能になったのが超高速取引というものです。
超高速取引は1秒間に何千回といった取引が可能になります。
この超高速取引が人工知能(AI)と密接につながり合いアルゴリズム取引というものを成立させています。
もちろんこのアルゴはビッグデータをも解析できますので、心理につけ込むことは朝飯前なのです。
例えば、人の心理につけ込み、
・買わせやすい値動きを繰り返し、個人投資家に買わせたところで株価を急落させる
・不安や焦燥を誘う動きをして狼狽売りを誘い込み、個人投資が売ったところを買い集め、後に急騰させる
こういった心理戦にも長けています。
一時期は、某掲示板やツイッターなどにも連動し、ボットが情報操作をしていると噂が流れましたが、あながち嘘ではないかと思います。
つまりアルゴとは
・あらゆるテクニカル
・あらゆるファンダメンタル
・フィボナッチ数
・人の心理
・板の操作
など、ありとあらゆる情報が人工知能(AI)に組み込まれ、形成しています。
つまり、どこまで勝たせたら、さらに資金を突っ込ませることができ、どこまで下げたら損切りをさせることができるか全て計算した上でアルゴは動いています。
株は資本主義そのもの
長年しばらく、株式投資をして感じたことは、株は資本主義そのものだということです。
昔からアルゴが存在していて、弱い個人投資家から資産を奪い取っていたのかというと、そういうわけでもありません。
アルゴリズム取引が可能になったのは2010年のアローヘッド導入からですし、それ以前は人が操作していたのです。
やり方は様々なのですが、ただアルゴリズム取引ができるようになってからは、個人投資家はさらに劣勢にたたされる場面が多くなったというだけの話なのです。
しかし、これは資本主義の仕組みを考えれば当然の話でもあります。
資本主義というのは資本があるものが強者で、資本がない者が弱者となります。
究極的な話をすれば、小資本で株の初心者がこの株式市場では最弱者となり、この最弱者が負ける仕組みが施されているということなのです。
もし、それがなければ確率だけで決まる成果配分になり、景気が良い時も悪い時も勝ち負けなしの5:5の社会主義国の貯蓄組合になってしまう筈なのです。
ゼロサムゲームを生き残れ
株は一般的には非ゼロサムゲームと言われています。
例えば、ある銘柄に対する需要が高まれば、その分株価は上昇します。
日本企業の時価総額は買いたいと思う人が増えれば株価が上がり、その結果時価総額は上昇することになるのです。
一方売りたい人が多くなれば時価総額は下落します。
このため、株式相場においては市場全体の大きさが変動することになるため、非ゼロサムゲーム市場だと言われているのです。
しかし、ここまで説明してきたとおり株式市場は9:1の法則で動いています。
つまり株はゼロサムゲームなのです。
この仕組みを理解した上で、勝ち組1割への思考づくりが9:1の1に入る重要な手がかりなのです。