出来高移動平均線とは、価格の移動平均線と同じように2種類の指定した期間の出来高の移動平均線から、相場の過熱感を調べる時に用いられるテクニカル指標です。
一般的には5日と25日の出来高を用いることが多いです。
「出来高は価格に先行する」という言葉があるくらいで。投資をする上では重要な指標になってきます。
目次
出来高移動平均線とは
出来高移動平均線の計算式
出来高移動平均は、過去n日間の出来高を合計してnで割った数値になります。
例えば、5日間の出来高が以下の場合だったとすると、
日付 | 4/1 | 4/2 | 4/3 | 4/4 | 4/5 |
出来高 | 12,000 | 10,000 | 9,000 | 15,000 | 13,000 |
(12,000+10,000+9,000+15,000+13,000)÷5=11,800 という計算式が成り立ちます。
出来高と価格の関係
では、なぜ「出来高は価格に先行する」と言われるのでしょうか。
それは、出来高移動平均線は需給指標とも言われるように、 売りと買いの需給のバランスにより決められるから です。
相場というものはボトムアウトする前に出来高が増加し始め、上昇相場でピークアウトする前に出来高が減少し始める事が多いです。
なので、出来高移動平均は価格の先行指標として使用され、近い将来の価格予測に使われるのです。
出来高移動平均線の使い方
ここでは一般的な5日と25日で見ていきます。
買いサイン
5日出来高移動平均線が下から25日出来高移動平均線の上にゴールデンクロスすれば買いサインになります。
そしてそのまま、5日移動平均線が25日移動平均線の上を継続すれば上昇トレンドとみます。
売りサイン
それとは逆に、5日移動平均線が上から25日移動平均線のしたにデッドクロスすれば売りサインとなり、
そのまま5日移動平均線が、25日移動平均線の下を継続すれば下降トレンドとみます。
騙しを少なくする方法
出来高移動平均線は、5日と25日に設定するのが一般的だと言いましたが、その他にも様々な期間の設定があります。
この設定は自分に合った期間を好みで決めてもいいのですが、決める際の注意点だけお話しておきます。
出来高移動平均線は期間が短いものほど実際の値動きに近くなり、期間が長いものほど緩やかになります。なので、騙しが少ない方が良いと考え、設定期間を長めに取ると、騙しは少なくなりますが感応度が低くなります。
また、逆に感応度が高い方がいいと、設定期間を短く取ると、買いシグナルや売りシグナルは出現しにくくなります。
相場用語でテクニカルチャートでは「売り」や「買い」のサインが出ているにも関わらず、相場がそれとは逆の動きをすることがあります。その時に出た売買サインのことを、相場では「騙し」と呼んでいます
以上ことを踏まえて、自分なりのオリジナルの期間を設定してみましょう。
その他のテクニカル指標
テクニカル指標には大きく分けて、「トレンドフォロー系」と「オシレーター系」の2つと「需給系」があります。
私はいつもテクニカル指標を使う時はどれか一つだけ用いるのではなく、「MACD」「ストキャスティクス」「ボリュームレシオ」、「ボリンジャーバンド」「ストキャスティクス」のように複合的に使っています。
私のように、系統が異なるテクニカル指標(「トレンドフォロー系」「オシレーター」「需給系」)を、複合的に使うとグッと勝率が上がりますよ。
トレンドフォロー系
トレンドフォロー系はトレンドを追いかけるテクニカル指標です。上昇トレンドや下降トレンドなど、トレンドが明確なときに有効な指標です。
オシレーター系
トレンドが横ばいを前提としているテクニカル指標です。オシレーター系は一定範囲で推移し、買われすぎ、売られすぎを示します。
見やすいのですが、強いトレンドには機能しない欠点があります。
需給系
相場における価格だけではなく、売買の出来高(ボリューム)を分析するテクニカル指標です。「出来高は価格に先行する」と言われるように、価格が上昇するときは出来高を伴うことが多く、価格が下落するときは出来高がほそることが多いです。
この出来高がどれだけあったかを元に、買われすぎか売られすぎかを判断する指標となります。