土木一式工事業の建設業許可【取得方法】



建設工事は2つの一式工事と27の専門工事に分かれます。

この2つの一式工事の内の1つが土木一式工事業となります。

本記事では、この土木一式工事業の取り方や要件などについて解説していきます。

行政書士
解説は建設業許可を専門としている行政書士がします。

建設業の土木一式工事とは

建設業の土木一式工事とは
土木一式工事は、複数の専門工事を組み合わせて、土木工作物を作る工事や、工事の規模が大きく複数であるため、単独専門工事では施工ができない土木工作物を作る比較的大規模な工事をいいます。

土木一式工事の典型は橋梁、ダム、トンネル、空港、港湾、高速道路、鉄道軌道、道路・団地等造成、公道下の下水道、農業・灌漑水道工事を一式(原則として元請)として請負うものがあげられます。

一式工事業者は俗にゼネコンとも呼ばれ、建設工事に関する総合的な技術力を持ち、専門工事会社や資材メーカーをマネジメントして工事を完成させます。

行政書士
ゼネコンの役割は、発注者の求める建設物を納期通りに引き渡すために、専門工事業者を統指して工程・品質・原価・安全などの管理を行うことです。

土木一式工事業の例示は、以下の工事などが挙げられます。

  • 道路工事
  • 宅地造成工事
  • トンネル工事
  • 橋梁工事
  • 管路工事
  • 水路工事
  • 防波堤工事
  • 地下鉄工事

土木一式工事業の例示

道路工事

土木一式工事業の道路工事とは、道路の新設工事、改良工事、維持・修繕工事のことをいいます。

宅地造成工事

農地、山林、原野などを宅地に転換して整地し,あるいは沼沢地や水面を埋立てるなどして住宅,工場などの建築敷地や市街地用地を造り出す工事のことをいいます。

トンネル工事

トンネルの施工方法は、代表的なもので山岳工法、開削工法、シールド工法、沈埋工法、NATM工法シールド工法等があります。

橋梁工事

行政書士
とび・土工・コンクリート工事業に分類されるプレストレストコンクリート工事のうち、橋梁などの土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は土木一式工事となります。

橋梁(きょうりょう)工事とは、海や川、谷や海峡、道路や鉄道といった交通路の上部に、下の空間を閉ざすことなく横切らせた輸送路を支える構造物の工事のことをいいます。

管路工事

行政書士
⇒上下水道に関する施設の建設工事に関して、公道下などの下水道の配管工事や下水処理場自体の敷地造成工事は土木一式工事
⇒家屋などの施設の敷地内の配管工事や上水道などの配水小管を配置する工事は管工事
⇒上水道などの取水、浄水、配水などの施設や下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事は水道施設工事

管路工事は、コンクリート管や鋳鉄管、塩化ビニル管等々を敷設する工事のことをいいます。

水路工事

行政書士
農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事は土木一式工事となります。

水路工事は、雨水や用水等を流すための側溝を造る工事のことをいいます。

防波堤工事

防波堤工事は、防波堤を造る工事のことをいいます。

地下鉄工事

地下鉄工事は、シールド工法などにより地下鉄の地下道やホームを造る工事のことをいいます。

土木一式工事業の大阪府知事許可を取得する要件

土木一式工事業の大阪府知事許可を取得する要件
土木一式工事業の建設業許可を取得するには、次の5つの要件が必要となります。
  1. 経営業務管理責任者
  2. 専任技術者
  3. 財産的基礎要件
  4. 欠格要件と誠実性
  5. 営業所の要件
行政書士
それではそれぞれ詳しく説明していきます。

1.経営業務管理責任者がいること

許可申請者が法人の場合は常勤の役員の中に、個人の場合は事業主本人が、経営業務管理責任者であることが要件です。(⇒経営業務管理責任者の詳細

下記のうち、(イ)(ロ)の、いずれかの要件を満たしており、適切な社会保険に加入している人が造園工事業の経営業務管理責任者になれます。

(イ)次のいずれかに該当する者であること。

  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
  • 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
  • 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者

(ロ)次のいずれかに該当する者であって、かつ、当該常勤役員等を直接に補佐する者として、①~③に該当する者をそれぞれ置くものであること。

  • 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の建設業の役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位における 経験を有する者
  • 建設業の財務管理、労務管理又は業務運営のいずれかの業務に関し、建設業の役員等の経験二年以上を含む五年以上の役員等の経験を有する者

かつ、当該常勤役員等を直接に補佐する者としてのいずれかの経験
①許可申請等を行う建設業者等において5年以上の財務管理の経験を有する者

②許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者

③許可申請等を行う建設業者等において5年以上の運営業務の経験を有する者

2.専任技術者がいること



許可申請者の役員や従業員の中に、専任技術者がいることが要件です。(⇒専任技術者の詳細

以下の1.2.3.4.のどれかに該当すれば専任技術者になれます。

1.以下のどれかしらの資格を持つ方

・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木)
・技術士 建設部門・総合技術監理部門(建設)
・技術士 建設部門「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理部門(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士 農業部門「農業土木」・総合技術監理部門(農業「農業土木」)
・技術士 水産部門「水産土木」・総合技術監理部門(水産「水産土木」)
・技術士 森林部門「森林土木」・総合技術監理部門(森林「森林土木」)

2.大学にて指定の学科(土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学)を卒業し、3年以上の実務経験がある方

3.高校にて指定の学科(土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学)を卒業し、5年以上の実務経験がある方

4.土木一式工事業に関する10年以上の実務経験がある方

3.財産的基礎要件

許可をとるには財産的基礎要件が必要になります。(⇒財産的基礎要件の詳細

以下のうちどちらかを満たせば財産要件はクリアできます。

・直前の決算書において自己資本(純資産)の額が500万円以上である

・500万円以上の預金残高がある

4.欠格要件と誠実性

許可をとるには欠格要件に該当していないこと、誠実であることが求められます。(⇒欠格要件と誠実性の詳細

建設業許可の欠格要件

法人の役員や事業主本人、支店長等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。

  1. 成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者
  2. 不正が原因で建設業許可を取り消され、その後5年が経過してない者
  3. 法律に違反して刑を受け、その刑の執行が終わり、もしくはその刑の執行を受けなくなってから5年が経過してない者

建設業許可の誠実性

法人の役員や事業主本人、支店長、顧問、株主等において、以下の事項に該当しなければ要件をクリアできます。

  1. 建築士法・宅地建物取引業法等で「不正な行為」または「不誠実な行為」を行ったことにより、免許等の取消処分を受け、その処分の日から5年を経過していない場合
  2. 暴力団の構成員であること
  3. 暴力団により実質的な経営上の支配が行われていること

5.営業所の要件



建設業の営業を行う事務所を有する必要があります。営業所とは常時建設工事に係る請負契約等を締結する事務所となりますので、単なる連絡事務所には該当しません。

したがって登記上の住所にある営業所がこういった事務所でない場合は、請負契約の見積り、入札、契約締結等に係る実体的な事実上の住所が必要にあります。(⇒営業所の要件とは

<大阪府に提出する書類>

事務所の使用権限が確認できる書類の提出を求められる場合があります。

自己所有の場合

・建物の登記簿謄本
・固定資産評価証明書
・固定資産税・都市計画税の納税通知書
・登記済証(権利書)
・登記識別情報通知
・建物の売買契約書(登記が確認できない場合)

賃貸等の場合

・賃貸借契約書
・使用貸借契約書

建設業許可取得を依頼する

建設業許可取得を依頼する

いかがだったでしょうか?建築一式工事業の建設業許可取得方法についての解説でした。

この記事で解説してきたように、建設業許可を取得するためには、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。

しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。

そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。

当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。

当事務所は、建設業許可の許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。

また、建設業許可の取得代行はもちろん、決算変更届や変更届などの各種手続きをフルサポートさせていただいております。

行政手続きのプロによる手続き代行を求めているのであれば、是非アカツキ法務事務所へお任せください。

関連記事



スポンサーリンク










お申込み・お問い合わせはこちらから

お申込み・お問い合わせはこちらから