建設業における社会保険(厚生年金)とは



厚生年金保険(社会保険)とは被保険者が老齢、障害、死亡により、収入がなくなった場合に本人や家族の生活を保障するために給付を行う社会保険制度です。

昨今では厚生年金(社会保険)の加入義務があるのに加入していない場合は、国土交通省の指導があります。

本記事では、この厚生年金保険について解説していきます。

行政書士
解説は建設業許可を専門としている行政書士がします。

厚生年金の適用事業所とは

厚生年金の適用事業所とは
厚生年金では事業所ごとに保険が適用され、強制適用事業所と任意適用事業所が存在します。

原則として健康保険と厚生年金保険は一緒に加入することになりますが、組合の健康保険に加入している場合は厚生年金保険のみ適用されます。(⇒建設業の健康保険

次にあてはまる事務所は当然に適用事業所(強制適用事業所)となります。

  • 常時1人でも従業員を使用しているすべての法人
  • 常時5人以上の従業員を使用している個人事業主

※強制適用事業者とならない事業所は従業員の半分の同意と厚生労働大臣の許可を受けることで保険加入の適用が受けられます(任意包括適用事業所)。

厚生年金の被保険者の種類

厚生年金の被保険者は適用事業所に雇用されている70歳未満は「当然被保険者」と呼ばれ、任意で加入している被保険者は条件によって区分されます。

当然被保険者

当然被保険者は、適用事業所に使用される70歳未満の者です。

任意単独被保険者

任意単独被保険者は、適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者で厚生労働大臣の認可とその事業所の事業主の同意を受けることにより被保険者となった者です。

高齢任意加入被保険者

70歳以上で老齢年金の受給権を有しない者が厚生労働大臣への申し出、または認可を受けることにより受給資格期間を満たすまで加入することができます。

この加入者を高齢任意加入被保険者といいます。

厚生年金と国民年金の関係



年金の制度を建物に例えれば、国民年金は「1階部分」のベースとなる年金であり、20歳以上60歳未満の人はすべて加入する形になっています。

厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で作られている制度なので、厚生年金は年金の「2階部分」と呼ばれています。

1階部分と2階部分を合わせて「厚生年金」と捉えると、国民年金とはまったく別の制度にように思われてしまいがちですが、ベースの年金は「国民年金」で国民すべて同じで、2階部分の厚生年金で年金支給を厚めにしているということなのです。

厚生年金の保険料負担

保険料は会社等と従業員が折半で支払うことになっているため、例えば、42,000円の厚生年金保険料を支払う必要がある場合には、会社等が21,000円を支払い、従業員は21,000円の負担となります。

年金支給額は報酬に比例した保険料によって人それぞれ異なるため、いくらもらえるかは簡単に計算できませんが、仮に国民年金の2倍もらえるとした場合、国民年金の保険料が約16,000円/月(16,340円/月 H30年度)ですので、わずか5,000円程度の違いで、年金の受給額が倍も違うということにもなります。

厚生年金保険料の決定方法

厚生年金保険料の決定方法
保険料は、被保険者の一人ひとりの報酬(臨時に支給されるものは該当しません)を対象にして階級別に報酬を当てはめて標準報酬月額をもとに割り出し保険料を決定します。

被保険者の保険料は毎月給料から控除され、事業主は併せて納付します。

保険料の計算方法(事業主と被保険者で折半負担)
標準報酬月額×(一般保険料率+介護保険料率)

標準報酬月額の決定方法は次の4種類があります。

資格取得時決定

入社したときに、その新規採用者が受けるであろう報酬の額によって標準報酬額を決定します。

定時決定や随時改定が行われる前月まで、この時の標準報酬月額を使います。

入社時の資格取得届に基づいて決定します。

定時決定

標準報酬月額は、給与の金額と連動しなければなりません。

そのため、年に1度確認の手続きを行います。

この際に、給与よ標準報酬月額にズレが生じていれば見直します。

毎年7月に4月~6月の給与の平均月額を算定基礎届によって提出し、決定します。

随時決定

昇給または降給、手当の変更などによる固定的資金の変動、または賃金体系の変更があった場合、変更月から3ヶ月間に受けた報酬の平均額による標準報酬月額と、すでに決定されている標準報酬月額とを比較して2等級以上の差が生じたときに、変更のあった月から4ヶ月目に改定します。

改定した標準報酬月額は、次の定時決定が行われるまで有効です。

給与の変動した月から3ヶ月間の報酬を月額変更届によって提出し、決定します。

育児休業等終了時改定

育児休業等を終了して職場に復帰し3歳未満の子を養育している場合、被保険者の申し出によって、育児休業などの終了日の翌日の属する月以後3ヶ月間に受けた報酬の平均額に基づき、その翌月から標準報酬月額が改定されます。

厚生年金に未加入の場合はどうなるの?

国土交通省は建設業の許可・更新時に社会保険等の加入状況を所定の様式で提出を求めて確認します。

社会保険未加入事業所に対しては、文書より加入を指導し、その指導に従わない場合には労働局に通報する通報制度を設けています。(⇒社会保険に未加入ならどうなるの?

通報されればより厳しい行政指導が待っています。

行政指導が怖いや、すでに行政指導を受けてるなど、建設業における社会保険でお困りの場合は、アカツキ法務事務所までご相談ください。

建設業許可取得を依頼する

建設業許可取得を依頼する

いかがだったでしょうか?建設業における雇用保険についての解説でした。

建設業許可を取得するためには、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。

しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。

そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。

当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。

当事務所は、建設業許可の許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。

また、建設業許可の取得代行はもちろん、決算変更届や変更届などの各種手続きをフルサポートさせていただいております。

行政手続きのプロによる手続き代行を求めているのであれば、是非アカツキ法務事務所へお任せください。

関連記事



スポンサーリンク










お申込み・お問い合わせはこちらから

お申込み・お問い合わせはこちらから