法定相続人以外への相続は遺言によって可能です。
本記事では、遺贈について解説していきます。
目次
遺贈とは
遺言をすれば、法定相続人以外の人に財産を残すことも可能です。
遺言によって第三者に財産を与えることを遺贈といい、遺贈される人を受遺者といいます。
遺贈には以下の2つの形式があります。
・特定遺贈
包括遺贈とは、遺言によって特定の人に対し、包括的に遺産の全部や一部を与えることです。
たとえば、一人の子どもに対し「全財産を遺贈する」という遺言を残していた場合や、お世話になった人に対して「遺産の5分の1を遺贈する」という、取得割合を示した遺言を残していたら、それは包括遺贈となります。
特定遺贈とは、遺産のうち特定の財産を指定して、遺贈する方法です。
たとえば、1人の子どもに対して、「〇〇の土地を遺贈する」という遺言をした場合や、「△△銀行の預貯金を遺贈する」などの特定の財産を示す遺言をしていたら、それは特定遺贈となります。
包括遺贈と特定遺贈の違い
包括遺贈は、相続人が相続分を指定されるのと同じ結果になります。
このことから民法では、包括受遺者は、「相続人と同一の権利義務を有する」とされ、相続人と同様の扱いを受けます。
そのため、財産の5分の1を包括遺贈された受遺者は、5分の1の債務も負担しなければなりません。
これに対し、特定受遺者は被相続人の債務を受け継ぐことはありません。
また、遺贈の場合であっても相続と同様に遺贈の放棄をすることができます。
詳しくは、こちらの記事も併せてご覧ください。(⇒相続放棄の詳細)
遺贈と相続の違い
遺贈と相続の違いは以下の点になります。
・遺贈は遺言がなければその効力が発生しない
・相続は被相続人が亡くなれば当然に発生する
つまり、相続は遺言のあるかどうか関係なく、被相続人が亡くなれば必ず発生しますが、遺贈は、遺言によって効力を発揮します。
また、一般的に遺言書では法定相続人以外の者に遺産を与える場合に「遺贈する」という表現をしますが、法定相続人に対しても遺贈することはできます。
遺贈と死因贈与の違い
相続人以外に遺産を残す手段としてには、遺贈の他に死因贈与があります。
死因贈与は「私が死んだら、〇〇の財産をあげます。」というように、生前に交わす贈与契約のことをいいます。
遺贈との大きな違いは、死因贈与は双方の合意で成り立つ契約であることです。
遺贈は、遺言者からの一方的な意思表示であり、受遺者が拒否をすれば成立しません。
遺贈 | 死因贈与 | |
似ている点 | 死亡によって財産が相手に移転する | |
異なる点 | <一方的な意思表示>
相手方の承諾は不要 ⇒そのため拒否をされる場合もある |
<当事者間の合意による契約>
相手方の承諾が必要
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いかがだったでしょうか?遺贈についての解説でした。(⇒遺産相続ガイドに戻る)
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