相続税にかかる株式評価は、上場株と非上場株では計算方法が異なります。
本記事では、これらの上場株と非上場株の評価方法について解説していきます。
目次
上場株式の評価方法
上場株式とは、証券会社に上場されている株式のことをいいます。
上場株は、何らかの要因で短期で急騰することもあるので、公平を期すために以下4つの項目のうち最も低い価格で評価されます。
・課税時期の属する月の毎日の終値の月平均値
・課税時期の前月の毎日の終値の月平均値
・課税時期の前々月の毎日の終値の月平均値
非上場株式の評価方法
非上場株式の評価方法は、会社の規模や状態などの評価方式により割り出します。
株式を評価ためには先ず、以下の判定が必要となります。
この判定により、原則的評価方式か特例的評価方式かにわかれます。
・相続などで株式を取得した株主が、その会社の経営支配力をもっている株主(同族株主など)⇒原則的評価方式
・それ以外の株主⇒特例的評価方式
原則的評価方式の場合、続いて評価会社が大会社か中会社か小会社かになるのか区分をします。
それぞれの区分により、選択できる評価方式が決まりますので、選択後はその評価方式により算出します。
区分 | 評価方式 |
大会社 | 類似業種比準方式(純資産価格方式も可)で評価 |
中会社 | 併用方式(純資産価格方式も可) |
小会社 | 純資産価格方式(併用方式も可) |
評価会社の業種に比準した上場会社の数値を基準に算出する方式です。算出式は以下のとおりとなります。
類似業種の株価×(評価会社の1株当たりの配当金額/課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額+評価会社の1株当たりの利益金額/課税時期の属する年の類似業種の1株当たり年利益金額)×1/3×しんしゃく率=類似業種比準価格
純資産をもとにして、株主一人当たりの分配額を算出する方式です。算出式は以下のとおりとなります。
{資産の合計額(相続税評価額)-負債の合計額-[(相続税評価額による資産の合計額-負債の合計額)-(帳簿価額による資産の合計額-負債の合計額)]×37%}/発行済株式数=1株当たりの純資産価格(相続税評価額)
純資産をもとにして、株主一人当たりの分配額を算出して評価します。類似業種比準方式と純資産価格方式による評価額を一定の割合で折衷する方式です。算出式は以下のとおりとなります。
類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)×(1-L)=評価額
配当還元方式で株価を逆算して算出します。(原則的評価方式による評価額の方が低いときは原則的評価方式で算出します。)
算出式は以下のとおりとなります。
1株あたりの年配配当金額/10%×1株あたりの資本金の額/50円=1株あたりの評価額
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いかがだったでしょうか?相続税における株式の評価方法についての解説でした。(⇒相続税の計算ガイドに戻る)
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