薬局(ドラッグストアー)を開設する場合、薬局解説許可や販売従事登録など他様々な手続き行う必要があります。
その中でも毒物・劇物を販売する場合は、毒物劇物販売業の登録が必要となります。
この手続きを怠り、毒物・劇物を販売してしまうと、法律違反となってしまいます。
そのならないためにも、薬局(ドラッグストアー)における毒物・劇物の取り扱いについてしっかり学んでいきましょう。
目次
薬局開設は許可が必要?
毒物・劇物について解説していく前に、先ず薬局開設の許可について知る必要があります。
薬局は誰でも開設することはできません。
ある一定の条件をクリアし、それを行政庁に認められて初めて開設の許可で下ります。
なぜ許可制になっているかというと、薬局では人体に多大に影響を与える薬物を取り扱うからです。
もし、薬物について何の知識もない素人が販売を行うと、誤った知識により消費者に甚大な損害を与えかねないからです。
そのため、行政は薬局において、ある一定の条件を設けているのです。
・薬局開設許可
・保険薬局の指定
・麻薬小売業者の免許
・毒物劇物販売業の登録
薬局開設の要件とは?
薬局運営の体制
薬局を運営するには、薬局の営業時間中に必ず薬剤師が勤務している必要があり、1日の平均取り扱い処方箋数に応じても、複数名の薬剤師を配置する必要があります。
薬剤師の勤務時間は、薬局の合計開店時間以上を求められており、薬剤や医薬品の相談があった場合には、常に情報の提供は指導が行える体制を整えておかなければなりません。
なお、第2類医薬品と第3類医薬品は登録販売者でも販売が可能です。
薬局の構造設備
薬局の店舗面積は全体で19.8㎡以上であることが必要です。
また、そのうちの待合室は6.6㎡以上、調剤室は6.6㎡以上面積の確保が必要となります。
薬局の施設構造として同一階層に設置することが求められます。
その他、薬局であることがわかりやすい外観であり、薬局内に購入者が出入りしやすくなっていること、換気が十分で清潔なことなど様々な規定があります。
薬局開設に必要な書類
薬局開設に必要な書類は次のとおりとなります。
※申請窓口によっては、提出書類が異なる場合があります。
・業務体制の概要書
・薬剤師又は登録販売者の一覧表
・事業内容書
・登記事項証明書(法人の場合)
・役員図(法人の場合)
・管理者の雇用証明書
・勤務薬剤師・登録販売者の雇用証明書
・申請者と役員の診断書
・薬剤師免許証あるいは販売従事登録証(原本)
毒物劇物販売業の登録
医薬品の中には、毒物・劇物にかかる薬品も数多くあります。
そのため、医薬品の販売業許可とは他に、毒物劇物販売業の許可が必要となります。
また、これら毒物・劇物を保管するには、他の医薬品を混在さることができず、鍵のかかる専用の保管庫が必要となるので注意が必要です。
毒物・劇物の定義としては、毒物及び劇物取締法別表第一及び第二表に掲げる物であって、医薬品及び医薬部外品以外のものとなります。
例を挙げると、水銀、砒素化合物、ヒ素、セレン、フッ化水素、アンモニア、塩酸、過酸化水素、クロロホルム、塩素、クレゾールなどがこれらにあたります。
毒物劇物販売業の種類
毒物劇物販売業には3つの種類があります。
この中でも、薬局に毒物・劇物を取り扱う場合には、すべての毒物・劇物を取り扱える一般販売業が必要となります。
一般販売業 | 全ての毒物または劇物を販売または授与することができる販売業です。 |
農業用品目販売業 | 農業上必要な厚生労働省令(施行規則別表第一)で定めた毒物または劇物を販売または授与することができる販売業です。 |
特定品目販売業 | 厚生労働省令(施行規則別表第二)で定めた毒物または劇物のみを販売または授与することができる販売業です。 |
許可取得の流れ
毒物劇物販売業の許可取得の流れとしては、次のフローのとおりとなります。
①毒物劇物販売業登録申請 ↓ ②現地調査 ↓ ③事務処理・決裁 ↓ ④登録 ↓ ⑤登録票の交付 |
毒物劇物販売業の許可を取得する場合も、薬局開設の許可取得と同様にある一定の要件が必要となります。
特に、注意しておきたいポイントとして、毒物・劇物が安全な場所に鍵付きで保管されているか、帳簿で管理されているかなど、現地調査が行われることです。
これら、的確な要件が具備されていない場合は、指導の対象又は不許可となります。
▼詳しくは以下の記事をご覧ください▼
薬局で取り扱える毒物・劇物とは?
薬局で取り扱える毒物・劇物の種類は次に列挙しているとおり多種に及びます。
しかしながら、基本的には毒物・劇物の一般消費者への販売は自粛されているため、特殊な薬品を必要とする法人や組織に販売することが主となります。
無機シアン化合物(青酸カリ、青酸ソーダ等)
フッ化水素(フッ酸)
水銀及び水銀化合物、ヒ素及びヒ素化合物(ヒ化ガリウム・ヒ化インジウム等を除く)
セレン及びセレン化合物
アジ化ナトリウム
黄リン、硫化リン
ベンゼンチオール
三塩化リン、三塩化硼素、三フッ化リン、三フッ化硼素
<劇物>
塩酸、硫酸、硝酸、ぎ酸、蓚酸及び蓚酸塩類
ヨウ化水素、ブロム水素
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
過酸化水素、塩素、臭素、ヨウ素、ナトリウム
有機シアン化合物
無機銅塩類、無機亜鉛塩類、無機すず塩類、無機金塩類、無機銀塩類、クロム酸塩類、重クロム酸塩類、塩素酸塩類
アンチモン化合物、カドミウム化合物、鉛化合物、バリウム化合物
五酸化バナジウム
メタノール、トルエン、四塩化炭素、二硫化炭素、クロロホルム、ホルムアルデヒド、メチルエチルケトン、アクリルアミド、酢酸エチル、キシレン、アニリン、フェノール、アクリロニトリル、アセトニトリル
まとめ
いかがだったでしょうか?以上が薬局における毒物劇物一般販売業についての解説でした。
ポイントとしては、薬局で毒物・劇物を取り扱い場合、医薬品販売許可など他に毒物劇物販売業の許可が必要となることです。
また、取得する許可は3種類あるうちの一般販売業となります。
許可の取得においては、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。
しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。
そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。
当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。
当事務所は、毒物劇物販売業の許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。
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