行政書士の業務は範囲が広いため、依頼の種類も幅が広くなります。
専門業務を決めて、その業務ばかり受けていたら効率よく、コスパも良いのでしょうが、事務所を運営するためには「何でも屋」になる覚悟も必要になる必要もあります。
この記事では、激務になりがちな行政書士の業務について、現役の行政書士が生の声で解説していきます。
激務になりがちな行政書士の業務
行政書士の業務の範囲はとてつもなく広いです。
これは実際、行政書士をやりはじめれば分かると思いますが、かなりの広範囲です。
なぜ、行政書士の業務の範囲がこんなに広いかというと、行政書士という資格の構造的なところから起因しています。
行政書士以外にも士業は様々ありますが、それぞれの士業は資格的な専門性があり、業際もはっきりしております。
イメージとして、それら他士業の業務以外の業務が、行政書士の業務にあたることとなります。
図にすると以下のようになります。
行政書士が作成できる書類は10,000種類以上と言われていますが、図で表すと、はっきりとわかるかと思います。
つまりこれらの業務をこなすには、多方面に専門性が必要となり、実務の習得が必要となります。
行政書士の専門特化は理想である
それでは自分で専門業務を決めて、専門特化すれば良いのでは?
という意見は多々あります。
実際、専門特化している行政書士もいますし、専門特化すればコスパも良くなると思います。
ただ、専門特化するには問題があります。
その道の専門家として有名になり、専門家として依頼を受け、ご飯を食べていけるようになるためには、それ相応の時間も労力も必要になるということです。
それまで事務所を運営できれば、良いのでしょうが、志半ばで廃業に追い込まれる行政書士も少なくはありません。
自分にご飯を食べさせていくという意味でも、専門ではない業務だからといって依頼を断るのではかく、いただいた業務をかたっぱしからこなしていくというスタイルの方が現実的であると言えます。
行政書士は意外とおいしいポジション

上述したように、他士業の業務以外の業務が、行政書士業務となります。
言い換えれば、他士業の人たちの専門業務をぬきとった残りの業務が行政書士業務ということになります。
士業の本音でいうと、専門外で面倒で手間がかかる業務は誰もやりたくありません。
そういった業務を丁寧に幅広く、こなしていけば、士業の中でも頼れる存在になれるということになるのです。
実際に、行政書士業務の依頼は他士業の方からの紹介が多くなります。
これら紹介されたものを丁寧にこなしていれば、仕事を業界してくれた人との信頼に変わります。
何かあれば〇〇さんに頼めばいいや、という風に、なってくれればおいしいポジションといえます。
つまり、なんでも受けるといった姿勢が、次の業務へとつながるのです。
効率化を進めるのかマルチに活躍するか
効率化をはかり、専門特化するのは、事務所が安定的に運営できるようになってからでも遅くはありませんが、実際そういった立場になってもマルチに依頼を受ける続けれる中堅以上の事務所は少なくはありません。
効率化だけでは図れないのが、行政書士のいいところでもあり他事業の違いでもあります。
依頼主が困っていれば、何とかしてあげたいと思うのが人の信条でもあるからです。
行政書士は他事業とは一線を画すると考えている方は、どうしてもマルチに依頼を受けざる負えなくなります。
マルチに依頼を受けるには、それ相応の実務の習得が必要となりますので、いつまでたっても激務になりがちとなるのです。