行政書士も司法書士も、どちらも法的な書類作成のプロです。
多くの人は勘違いをされ、どちらも同じような資格で同じような業務内容であるとイメージを持たれておりますが、業務内容は大きく異なります。
また、試験の難易度や年収も異なっています。
この記事では、行政書士と司法書士の違いについて解説していきます。
解説は現役の行政書士がします。
行政書士と司法書士の業務内容の違い
行政書士が作成する書類は、主に役所などの官公署に対してのものになり、司法書士は法務局や裁判所に提出する書類作成が主なものとなります。
具体的には、行政書士は
・建設業許可
・飲食業許可
・タクシー事業許可
・ドラッグストアの開設許可
などがこれにあたります。
また、これに対して司法書士は
・不動産登記
・商業登記
・債務整理に関する手続
・成年後見人、相続・遺言などの申立書の作成
などとなります。
行政書士と司法書士の難易度の違い
行政書士も司法書士も国家資格となります。
そのため、双方のどちらになろうとしても、資格を取得するために基本的には受験をしなければなりません。
試験に合格するためには、そう相応の勉強時間が必要となります。
一般的に言われているのが、行政書士は800時間、司法書士は3000時間です。
また、合格率は、行政書士は10%前後に対して司法書士は3%前後です。
これらの算出からみて、行政書士よりも司法書士の方が圧倒的に難易度が高いと言えます。
絶対票と相対評価
行政書士と司法書士では、試験の評価方法に対しても大きく異なります。
行政書士試験は絶対評価が用いられ、一定の得点率を上げた場合、全員合格となります。
それに対し、司法書士試験は相対評価が用いられています。
そのため、合格者の合格人数はあらかじめ設定されており、相対的に受験生同士で争わないといけません。
試験の評価方法に関しても、司法書士の方が難易度が高いと言えます。
行政書士と司法書士の年収の違い
行政書士と司法書士の年収の違いは以下のように言われています。
行政書士 500万円
司法書士 800万円
しかしながら、年収は個人の能力の差で変わってくるのものですから、一概には上記の金額とは言えません。
行政書士も工夫と努力次第では、司法書士を抜くことができます。
ダブルライセンスは有利にになる?
これまで行政書士と司法書士の違いについて触れてきましたが、この両者をもってダブルライセンスで開業すれば片方の資格だけで開業している人よりも有利になるのでしょうか?
答えは、ダブルライセンスの方がシングルライセンスよりも有利に働くことが多いです。
その根拠として、扱える業務内容が大幅に広がるからです。
冒頭でも触れましたが、行政書士と司法書士の違いがわからない顧客はたいへん多いです。
そのため、この業務は行政書士にとか、この業務は司法書士にとか考えないで、法的に困ったから知り合いの先生に相談にいこうという感じで、依頼者はやってきます。
扱える業務が片方の場合ですと、業務範囲外として断らざるおえないケースも多分にでてきてしまいます。
しかしながらダブルライセンスの場合、依頼者の要望に幅広く答えることができるようになり、それがそのまま収入にもつながるというわけです。