特定遊興飲食店営業許可とその申請方法

特定遊興飲食店営業とは、ナイトクラブやライブハウス、ショーパブやスポーツバーなど、営業のための設備を設けて遊興させ、深夜0時以降に飲食を提供する飲食店のことをいいます。

平成28年に、新しくできた許可営業種です。

この記事では、この特定遊興飲食店営業の許可と、その申請方法について解説していきます。

解説は、風俗営業法許可を専門としている行政書士がします。

特定遊興飲食店とは?

特定遊興飲食店とは?

特定遊興飲食店とは、客に遊興を行わせる飲食店のことで、以下の要件に当てはまる、例えばナイトクラブや、ライブハウス、スポーツバーなどがこれにあたります。

なお、これら一つでも当てはまらなければ特定遊興飲食店とはならず、営業許可を取得する必要もありません。

1.深夜0時以降6時まで客に酒類を提供する

2.客に遊興させる

3.客室の照度が10ルクスを超える

遊興させるとは

遊興させるとは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせることで、一般的にはショーを見せたり、ダンスさせたり(鑑賞型サービス)、遊戯等を盛り上げるための言動や演出行う行為(参加型サービス)がこれにあたります。

遊興飲食店営業では、この遊興をさせるかどうかが重要なポイントとなり、上記の①深夜0時以降6時まで客に酒類を提供すし、かつ、③客室の照度が10ルクスを超えていたとしても、②客に遊興させていなければ、遊興飲食店営業とはなりません。

社交飲食店との違い

社交飲食店との違いは、「接待するかどうか」となります。

接待を行うのであれば、社交飲食店の許可が必要となります。

逆に、特定遊興飲食店の営業許可を取得しているのであれば、社交飲食店のような接待行為は行えません。

接待行為についてはこちらの記事で解説していますので、一緒にご覧ください。

風俗営業許可の接待行為とは?

2021年5月5日

遊興できる時間帯とは

特定遊興飲食店は、深夜においても客に遊興させることができることが大きな特徴です。

社会飲食店においては、深夜0時以降に遊興させることは禁止となっており、深夜0時以降も遊興をさせたいのであれば、特定遊興飲食店の営業許可取得の一択となります。

特定遊興飲食店営業許可の要件

特定遊興飲食店の営業許可を取得するためには、大きく分けて以下の3つの要件をクリアしなければなりません。

場所的要件

人的要件

構造の要件

それでは、それぞれ解説していきます。

特定遊興飲食店営業許可の場所的要件

場所的要件は以下の要件に当てはまる必要があります。

・特定遊興飲食店は、各都道府県にて告示された営業所設置許容地域内にある

・住居集合地域に隣接している場合は、その境界線から20m以上の距離が必要。ただし、幹線道路の各側端から50m以上のエリア内であれば、隣接しているその境界線から20m以内であっても営業可能

・営業所の周辺に保全対象施設がないこと

・立地制限の例外として、営業所がホテル営業又は旅館営業に係る施設内に所在し、かつ、良好な風俗環境の保全に障害を及ぼすことがないため、特にその設置が許容されるものとして、国家公安委員会規則で定める基準に適合するもの

特定遊興飲食店営業許可の人的要件

人的要件は風俗営業許可の人的要件と同様に、以下欠格要件に該当しているかどうか、確認されます。

1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

2. 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

3. 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者

4. アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者

5. 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者

6. 風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

7. 営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者

8. 法人の役員、法定代理人が上記1から6までのいずれかに該当する者があるとき

特定遊興飲食店営業許可の構造要件

構造要件は、営業する店舗の設備について確認されます。

以下の、設備が備わっていない場合は、営業許可を取得することはできません。

・客室の床面積は、1室につき33㎡以上とすること

・客室に見通しを妨げる設備がないこと(高い間仕切りなど)

・営業所内の照度が10ルクス以下とならないよう維持されるため必要な設備を有すること

・風俗を害するおそれのある写真・装飾等の設備がないこと

・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないよう維持されるため必要な設備を有すること

・客室の出入口(営業所外に直接通ずる出入口は除く)に施錠の設備を設けないこと

特定遊興飲食店営業許可の申請

特定遊興飲食店営業許可の申請

特定遊興飲食店営業許可の申請は、営業所の所在地を管轄する警察署となります。

許可申請を行うには、事前協議が必要となるので、先ずは所轄の警察署に連絡してみましょう。

提出する書類は、以下のものが必要となります。

・申請書

・メニュー案

・営業所周辺の概略図

・店舗の使用承諾書

・建物の全部事項証明書

・物件契約書のコピー

・入居概況説明図

・1階概略図

・入居階概略図

・営業所平面図

・求積表

・営業所求積図

・客室等求積図

・音響照明図

・定款のコピー(法人の場合)

・履歴事項全部証明書(法人の場合)

・住民票(法人の場合は、役員全員分)

・身分証明書(法人の場合は、役員全員分)

・登記されてないことの証明書(法人の場合は、役員全員分)

・誓約書

・飲食店営業許可証のコピー

・管理者の顔写真

特定遊興飲食店営業許可の申請から取得までの流れ

以下、特定遊興飲食店営業許可の申請から取得までの流れは次の通りとなります。

①事前協議(欠格事由の確認)

②営業所は営業可能地域内にあるかどうかの確認

③住宅集合地域又は、住宅就業地域から距離20m以上かどうかの確認

④保全対象施設の調査

⑤協議を受任

⑥営業所の計測等

⑦飲食店営業許可申請(→保健所)

⑧保健所による現地調査

⑨飲食店営業許可書発行

⑩特定遊興飲食店営業許可申請

⑪実査

⑫許可取得

特定遊興飲食店営業許可とその申請方法のまとめ

いかがだったでしょうか?特定遊興飲食店営業許可とその申請方法についての解説でした。

以上のように、特定遊興飲食店の営業許可取得においては、あらかじめ専門的な知識を習得しておく必要があります。

しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。

当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。当事務所は、ナイトクラブやスポーツバー等の営業許可取得は数多くの実績があり、最も得意としているところです。

行政手続きのプロによる手続き代行を求めているのであれば、是非アカツキ法務事務所へご依頼ください。

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