日本の国籍を持たないものが、日本に上陸する際には上陸許可を受けなければなりません。
本記事では、この上陸許可について解説していきます。
目次
上陸手続き
日本の国籍を持っていない外国人が日本に上陸する際には、原則として在外公館(日本国大使館又は総領事館)が一定の条件に基づいて発給した査証(ビザ)の記載がある有効な旅券(パスポート)をもって、上陸許可を受けなければなりません。
査証(ビザ)は、在外公館の長が、外国人の所持する旅券が真正であり、かつ、日本への入国に有効であることを確認するとともに、発給するビザに記す条件の下において、その外国人の日本への入国及び滞在が適当であるとの推薦の性質を持つものとなります。
そのため、ビザを所持していることはあくまでも「出入国管理及び難民認定法」上の上陸のための要件の一つとなり、入国を保証するものではありません。
日本に上陸するためには、上陸許可が必要となるのです。
・外国人が日本に入国するときは、上陸許可シールが貼られます。
・但し、既に有効な在留資格と再入国許可を持っている外国人には、再入国のスタンプが押されます。
上陸の審査基準
日本に上陸する際には、原則的に次のような審査を受けることとなっています。
- 旅券(パスポート)は有効なものか?
- 有効な査証(ビザ)を持っているか?
- 日本でしようとしている活動を本当にする気があるか?
- 外国人本人の能力や身分などが、在留資格のどれかに当てはまるか?
- 上陸を許可されるための基準を満たしているか?
- 日本に滞在しようとしている期間は、法律上許された在留期間の期間内か?
- その他上陸を拒否する理由があるか?
旅券(パスポート)が偽造のものであるかどうか、また期限か切れていないかどうか審査されます。
旅券は身分証明書になるため、記載されている国籍、氏名、生年月日、性別、顔写真などで、旅券を持っている人と同一人物であるかどうか判断されます。
査証(ビザ)があるかどうか、有効なものかどうかが審査されます。
査証があっても必ずしも上陸許可が下りるわけではないの注意してください。
(※日本国から査証(ビザ)が免除されている国籍や条件の外国人はこの審査は不要となります。)
日本に上陸しようとしている理由が本当かどうか審査されます。
日本での単純労働が目的であるにもかかわらず、日本人と偽造結婚して入国した場合はこれにあたります。
外国人本人の能力や身分がどの在留資格にあてはまるか、審査されます。
在留資格は29種類あり、当てはまらなければ上陸することはできません。(⇒在留資格の詳細)
上陸許可基準とは、在留資格の中で日本に上陸するための基準があってるかどうかの審査となります。
在留資格には、上陸許可基準適合性が「必要ある在留資格」と「必要ない在留資格」があり、次のものが、必要ある在留資格となります。
経営・管理 | 高度専門職 | 法律・会計業務 | 医療 |
研究 | 教育 | 技術・人文知識・国際業務 | 企業内転勤 |
興行 | 技能 | 技能実習 | 留学 |
研修 | 家族滞在 | 特定活動 |
審査事項は次のようなものとなります。
・学歴要件
・実務経験年数
・従事する業務内容
・報酬額
・受入れ機関に関する条件
在留資格で許された期間が、日本で活動を許可された期間となります。
この期間を超えて引き続き日本で活動したい場合は、在留期間更新の手続きが必要になります。
日本で過去に犯罪を犯したり不法入国や不法滞在をしたりして強制退去などになった場合で、上陸を拒否される期間が経過していないなど、外国人本人に何らかの入国拒否される事情がある場合、上記のほかの要件を満たしていても原則的には上陸を拒否されます。(⇒上陸拒否事由の詳細)
上陸許可と査証(ビザ)
上陸許可と査証(ビザ)とは別個の審査となります。
入管法上、旅券(パスポート)に査証を受けることは、外国人が日本に上陸するための条件の一つにすぎません。(⇒査証(ビザ)の詳細)
そのため、旅券に査証を受けていても、他の上陸の条件(在留資格該当性、上陸拒否事由非該当性等)を満たしていない場合は、その上陸は許可されません。
※たとえ、本邦にて、在留資格「短期滞在」に該当する活動に従事しようとする場合においても、査証免除取決め等により査証を免除されることとされている国の国民の旅券を所持する場合などでない限り、査証の発給を受ける必要があります。
なお、査証免除取決めは、入国手続の簡易化を図り相互に人の交流を促進することを目的とし、通常、観光、親族の訪問や会合への参加を目的として短期間滞在する等一定の範囲の相手国の国民に対して査証を免除する旨の口上書を相手国との間に交換することによって行われています。
在留資格認定証明書による上陸手続き
行政書士が日本国内で法務大臣に「在留資格認定証明書」の交付を申請し、同証明書の交付を受け、外国人が本国の在外公館に同証明書を添付して査証(ビザ)申請すると、比較的短時間で査証が発給されます。
そのため、現在では「査証事前協議」の方法よりも、「在留認定証明書」を利用した方法が圧倒的多数を占めています。
在留資格認定証明書とは、本邦に上陸しようとする外国人が日本で行おうとする活動が上陸のための条件の一つに適合しているかどうかについて法務大臣が事前に審査を行い、この条件に適合すると認められる場合に法務大臣が交付する証明書のことをいいます。
外国人就労ビザの手続を依頼する
いかがだったでしょうか?上陸許可についての解説でした。
アカツキ法務事務所では、外国人雇用に関する就労ビザ取得や更新の手続きなどフルサポートしております。
また、当事務所の担当者が無料出張相談および出入管理局への取次申請まで全ておこなっておりますので、ご依頼者が出入国管理局に足を運ぶ必要はなく、大変好評をいただいております。
大阪で就労ビザの手続を依頼したい方は当事務所におまかせください。(⇒申し込みをする)