遺産相続では原則として、被相続人の遺言による相続が法定相続よりも優先されます。
本記事では、「遺言書」について解説していきます。
目次
遺言書の効力を発揮する
法定相続人の範囲と相続の割合は、血縁関係と結婚関係に基づいて定められますが、これはあくまでも抽象的な目安としかなりません。
遺産相続においては、現実的には法定相続分をよそに遺産をめぐって親族同士の骨肉の争いが起きる場合も少なくはないからです。
また、遺言がない場合は、法定相続人全員で遺産分割協議に入ることになります。
この遺産分割協議で、納得がいかない相続人が一人でもいれば、不成立となり、最後の手段として、調停・審判の形で家庭裁判所を利用した解決を目指すことになります。
↓
①法定相続に基づく
↓
②遺産分割協議
↓
③不成立
↓
④調停・審判
こうした事態を回避する場合は、遺言書の中でしっかりと「妻には家屋を、息子にはマンションを相続させる」など具体的に明記しておく必要があります。
また、献身的に看病してくれた息子の嫁や、長年連れ添った内縁関係の同居人、再婚相手の連れ後など、法定相続人の範囲外の人に遺産を分け与えたい場合でも遺言書は有効となります。
遺言書に遺贈すると明記しておけば、遺族はそれに従わざるを得なくなるのです。
遺言書の形式
遺言書には以下の表に記載している形式があります。
通常は普通方式で作成され、「自筆証書遺言」若しくは「公正証書遺言」が一般的となります。
また、この形式が守られていない場合は、遺言書は無効となります。
普通方式 | 自筆証書遺言 | 遺言者(被相続人)が、承認を立てずに自筆で書く |
公正証書遺言 | 遺言者が公証人の面前で遺言内容を口述したものを文書化、2人の承認を立てて作成する | |
秘密証書遺言 | 遺言者が作成し、封印した上で公証役場へ持参し、2人の承認を立てて遺言書の存在を証明してもらう | |
特別方式 | 危急時遺言 | 遺言者が臨終間際に第三者へ口頭で遺言の内容を伝える。遺言者が口述したものを文書化、3人以上の承認を立てて作成する |
隔絶地遺言 | 伝染病隔離や刑務所服役などのため、交通が断たれた場所にいる人に認められる。1人の警察官と1人以上の承認を立てて遺言書を作成する |
遺言書は書き直しが可能である
遺言は、一度書いた後で心境や考え方が変わったり、保有財産の状況に変化が生じたら、書き直しや取り消しはいつでもできるようになっています。
また、書き直しは何回でもでき、もし複数の遺言書が見つかった場合は、最も新しい日付の物が有効となります。
また、遺言書に記述する内容には、なんら制約はありませんが、記述方法には厳格な方式があります。
この書き方のルールが守られていない場合は、遺言書は無効となります。
以下は書き方のルールについて詳しく解説した記事となります。
書き方のルールについて詳しく知りたいかたは是非ご一緒にごらんください。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
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いかがだったでしょうか?遺言書の種類とルールについての解説でした。
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