完成工事高とは経審の総合評定値P点に構成されるX1、X2、Z、W、Y点のうちの一つX1点にあたります。
本記事では、この「完成工事高」について詳しく解説していきます。
目次
経営事項審査の総合評定値(P)とは
先ず、完成工事高を解説する大前提として、総合評定値(P)について解説をします。
経営規模等評価の各評点(X1、X2、Z、W)と経営状況分析(Y)の評点に一定の係数をかけて得たものが「総合評定値(P)」になります。
経営規模等評価は完成工事高(X1)、自己資本額および平均利益額(X2)、技術職員数および元請完成工事高(Z)、その他審査項目(W)で構成されています。
経営事項審査(経審)完成工事高
完成工事高(X1)は経営事項審査を受ける建設業者の規模を評価する項目の一つとなります。
建設業者の工事施工能力を評価するために評価できる金額を1000万円未満から上限を1000億円を上限として区分され、1000億円までの大多数の中小建設業者の完成工事高の差が業者間の実力差として評点に敏感に反映されます。
区分 | 許可を受けた 建設業に係る 建設工事の種類別 年間平均完成工事高 |
評 点 | |
---|---|---|---|
金額 | 円以上 | 円未満 | |
1 | 1,000億 | 2,309 | |
2 | 800億 | 1,000億 | 114×(年間平均完成工事高)÷20,000,000+1,739 |
3 | 600億 | 800億 | 101×(年間平均完成工事高)÷20,000,000+1,791 |
4 | 500億 | 600億 | 88×(年間平均完成工事高)÷10,000,000+1,566 |
5 | 400億 | 500億 | 89×(年間平均完成工事高)÷10,000,000+1,561 |
6 | 300億 | 400億 | 89×(年間平均完成工事高)÷10,000,000+1,561 |
7 | 250億 | 300億 | 75×(年間平均完成工事高)÷5,000,000+1,378 |
8 | 200億 | 250億 | 76×(年間平均完成工事高)÷5,000,000+1,373 |
9 | 150億 | 200億 | 76×(年間平均完成工事高)÷5,000,000+1,373 |
10 | 120億 | 150億 | 64×(年間平均完成工事高)÷3,000,000+1,281 |
11 | 100億 | 120億 | 62×(年間平均完成工事高)÷2,000,000+1,165 |
12 | 80億 | 100億 | 64×(年間平均完成工事高)÷2,000,000+1,155 |
13 | 60億 | 80億 | 50×(年間平均完成工事高)÷2,000,000+1,211 |
14 | 50億 | 60億 | 51×(年間平均完成工事高)÷1,000,000+1,055 |
15 | 40億 | 50億 | 51×(年間平均完成工事高)÷1,000,000+1,055 |
16 | 30億 | 40億 | 50×(年間平均完成工事高)÷1,000,000+1,059 |
17 | 25億 | 30億 | 51×(年間平均完成工事高)÷500,000+903 |
18 | 20億 | 25億 | 39×(年間平均完成工事高)÷500,000+963 |
19 | 15億 | 20億 | 36×(年間平均完成工事高)÷500,000+975 |
20 | 12億 | 15億 | 38×(年間平均完成工事高)÷300,000+893 |
21 | 10億 | 12億 | 39×(年間平均完成工事高)÷200,000+811 |
22 | 8億 | 10億 | 38×(年間平均完成工事高)÷200,000+816 |
23 | 6億 | 8億 | 25×(年間平均完成工事高)÷200,000+868 |
24 | 5億 | 6億 | 25×(年間平均完成工事高)÷100,000+793 |
25 | 4億 | 5億 | 34×(年間平均完成工事高)÷100,000+748 |
26 | 3億 | 4億 | 42×(年間平均完成工事高)÷100,000+716 |
27 | 2億5000万 | 3億 | 24×(年間平均完成工事高)÷50,000+698 |
28 | 2億 | 2億5000万 | 28×(年間平均完成工事高)÷50,000+678 |
29 | 1億5,000万 | 2億 | 34×(年間平均完成工事高)÷50,000+654 |
30 | 1億2,000万 | 1億5,000万 | 26×(年間平均完成工事高)÷30,000+626 |
31 | 1億 | 1億2,000万 | 19×(年間平均完成工事高)÷20,000+616 |
32 | 8,000万 | 1億 | 22×(年間平均完成工事高)÷20,000+601 |
33 | 6,000万 | 8,000万 | 28×(年間平均完成工事高)÷20,000+577 |
34 | 5,000万 | 6,000万 | 16×(年間平均完成工事高)÷10,000+565 |
35 | 4,000万 | 5,000万 | 19×(年間平均完成工事高)÷10,000+550 |
36 | 3,000万 | 4,000万 | 24×(年間平均完成工事高)÷10,000+530 |
37 | 2,500万 | 3,000万 | 13×(年間平均完成工事高)÷5,000+524 |
38 | 2,000万 | 2,500万 | 16×(年間平均完成工事高)÷5,000+509 |
39 | 1,500万 | 2,000万 | 20×(年間平均完成工事高)÷5,000+493 |
40 | 1,200万 | 1,500万 | 14×(年間平均完成工事高)÷3,000+483 |
41 | 1,000万 | 1,200万 | 11×(年間平均完成工事高)÷2,000+473 |
42 | 1,000万 | 131×(年間平均完成工事高)÷10,000+397 |
例:平均完成工事高が2億円の場合
区分:(28)2億円以上~2億5,000万円未満の算式を使用します。
算出式:28×(年間平均完成工事高)÷50,000+678
28×200,000(千円単位)÷50,000+678=790
経営事項審査(経審)評点アップ
経審の評点のアップを狙うならば、受注量を増大させ完成工事高を上げることが第一となります。
これは、単純に営業力に力を入れ、受注量をあげることとなりますので、一重に企業様の努力次第といった形になります。
しかし、それではただたんに頑張ってください、といっているだけで建設業許可・経審の専門家としては恥ずかしい話です。
もちろん、下記に列挙した方法を用いて、当事務所がサポートできることはたくさんあります。
・直前2年平均、3年平均の選択
・進行基準
・算入(積上げ)
建設業者の中には、建設資材や住宅資材などの販売を兼業としている場合がよくあります。
これらの売上高は兼業事業売上高とすべけなのですが、販売と併せて設置工事を行った場合は、完成工事高としなければなりません。
つまり、兼業事業をお持ちの企業様に関しましては、この売上高の見直しが不可欠となります。
また、経営規模等評価申請をする際には、審査基準日の直前2年平均または3年平均から選択することができます。
自社にとって一番点数を上げたい業種に合わせて、直前2年平均または3年平均か有利な方を選択することができるのです。
また、当事務所では希望する業種で、2年平均または3年平均のシュミレーションを行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
期末未成工事をどのように会計処理するかによって完成工事高を合法的に増加させることができます。
これは経営事項審では、「工事進行基準」と呼ばれ、期末未成工事の進行度合いに応じて完成工事高に計上する事ができます。
かんたんに説明すれば、完成部分の割合を抽出して完成工事高に計上する方法です。
審査を受ける業種の完成工事高に関連する他の業種の完成工事高を算入させることができます。
このように、特に評定をアップをさせたい業種に、完成工事高をかさ増しさせます。
なお、算入させるためにはいろいろと細かなルールがあります。
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いかがだったでしょうか?経営事項審査の「完成工事高」についての解説でした。(⇒経営事項審査の評価項目ガイドに戻る)
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