経営事項審査の結果通知書の見方を知ることは大切な事です。
毎年、経営事項審査を受審している建設業者はなおさらで、評点アップのために何が必要なのか一目瞭然でわかるので、改善点をすぐにわりだせるからです。
本記事では、この経営事項審査結果通知書の見方について解説していきます。
目次
経営事項審査(経審)の結果通知書とは
経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書とは経営事項審査(経審)の結果通知書のことをいいます。
この結果通知書をもって入札参加資格の申請ができるようになり、入札参加資格の提出必要書類となります。
つまり入札参加資格に必要な情報はこの結果通知書に集約され、これを基にランク付けがされています。(⇒ランク付けとは)
経営事項審査結果通知書の見方
それでは、経営事項審査(経審)の結果通知書の見方について解説していきます。
総合評定値(P)は、大きく分けて下記の5つの項目に分かれています。
これら5つの項目を足して算出したものが、総合評定値となります。
そのため、総合評定値を上げるためには、項目ごとに意識して強化していく対策が必要になります。
- X1:経営規模
- X2:経営規模
- Z :技術力
- W :社会性等
- Y :経営状況
私が依頼を受ける中で、即効で点数アップを期待するものであれば、紫色のW点の社会性等の取り組みをおすすめしています。
W点は他のX1、X2、Z、Y点の評価方法とは異なり、保険等に加入するしないで点数がつけられるので、即効性を期待できる項目だからです。
X1(経営規模)は、平均完成工事高の評点といわれ、土木一式、建築一式、管工事、電気工事、水道工事などその工事種類別に2年または3年の平均の完成工事高の金額によって点数が決められています。
2年平均か3年平均かは点数がいい方を自ら選択できます。
分かりやすい選択方法としては、前年度の金額が前々年度の金額より高ければ2年平均、前年度の金額が前々年度の金額より低ければ2年平均といった感じで選択するといいでしょう。
・前年度>前々年度 2年平均
・前年度<前々年度 3年平均
また、具体的なX1(経営規模)の評点アップ方法は、「受注量を増大させ完成工事高を上げる」ことが第一となります。
つまり、営業に力を入れ工事の受注及び完成工事高を上げる必要があります。(⇒完成工事高(X1)の詳細)
X2(経営規模)は、自己資本額と平均利益額により算出されます。
自己資本とは、「他人資本」と対立する概念で、企業が自社内部で調達した資本のことをいいます。
自己資本額は審査基準日と2年平均のどちらか有利な方を選択して使用することができます。
分かりやすい選択方法としては、今年度の金額が前年度の金額より高ければ審査基準日、今年度の金額が前年度の金額より低ければ2年平均といった感じで選択するといいでしょう。
・今年度>前年度 審査基準日
・今年度<前年度 2年平均
平均利益額は、2年間の営業利益と減価償却実施額の平均で算出されます。
具体的なX2(経営規模)の評点アップ方法は、「自己資本を充実させること」が第一となります。(⇒自己資本額および平均利益額(X2)の詳細)
Z(技術力)は、元請完成工事高と技術職員数で算出されます。
元請完成工事高は2年または3年平均を選択できます。
また、技術職員数は技術職員の保有資格で算出されます。(⇒技術職員の人気のある資格)
一級施工管理技士等の国家資格者の場合は、管理技術者講習を受講することにより、5点→6点に点数がアップします。(⇒監理技術者の詳細)
そのため、比較的対策ができやすり項目でもあります。
W(社会性等)は、社会保険など以下の項目の制度に加入しているかどうか加点で算出されます。
制度に加入すれば、即点数アップの項目もあり、即効性が期待できます。
・労働福祉の状況
・営業継続の状況
・防災活動への貢献の状況
・法令遵守の状況
・経理の状況
・研究開発の状況
・建設機械の保有状況
・国際標準化機構が定めた規格による登録の状況
・若年の技術者および技能労働者の育成および確保の状況
Y点(経営状況)は、純支払利息比率、負債回転期間、総資本売上総利益率、売上高経常利益率、自己資本対固定資産比率、自己資本比率、営業キャッシュフロー、利益剰余金の8つの指標から経営状況分析機関が算出します。(⇒経営状況分析申請の詳細)
その8つの指標の基となるのが、次の科目となります。
固定資産、流動負債、固定負債、利益剰余金、自己資本、総資本(当期)、総資本(前期)、売上高、売上純利益、受取利息配当金、支払利息、経常利益、営業キャッシュフロー(当期)、営業キャッシュフロー(前期)
毎年提出する、決算書をもとに算出するため、税理士とよく話し合った上で決算の方向性を決める必要があります。
経営事項審査(経審)は受け直しができる
経営事項審査の結果通知書が到着して、確認してみたところ数字が間違っていると焦ったことはないですか?
実務上特に多いケースとして、「資格をもっている技術職員が、技術職員名簿に載っていないため予定していた点数に届いてない」があります。
うっかり、経営事項審査の申請書に記載するのを忘れていたんですね。
そのため、入札参加資格の予定していたランクに入れないで困っているという相談は結構あります。
しかし、あきらめないでください。
ある一定の条件が整えば、経営事項審査は受け直すことができるのです。(⇒経審の受け直しとは)
なお、経営事項審査の受け直しでお困りの場合は、当事務所のご相談ください。
大阪で経営事項審査(経審)の申請代行を依頼する
いかがだったでしょうか?経営事項審査結果通知書の見方についての解説でした。(⇒経営事項審査ガイドに戻る)
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