経営事項審査での虚偽申請は、年々防止対策が強化され、ばれる確率も高くなってきています。
虚偽申請が発覚すると、厳しい行政処分がまっています。
本記事では、虚偽申請について解説していきます。
目次
虚偽申請が発覚すると厳しい罰則
経営事項審で虚偽申請がばれるとどうなるの営業停止になります。
こういった行政処分を受ける建設業者は少なくありません。
大阪府では、経営事項審査(経審)の完成工事高、技術職員数、経営状況分析などの内容に疑義がある場合は、必要に応じて関係資料の提示を求めたり、営業所への立入調査を実施することがあります。
これまでにも大阪府、地方整備局共にこれらの調査を積極的に進めていたようです。
そして、ついに平成23年に経営状況分析機関と連携することにより、さらに規制が厳しくなってきています。
このように虚偽申請は、年々防止対策が強化されていますので、ばれる確率も高くなってきているのです。
虚偽申請防止対策の強化
新たな虚偽申請防止対策の流れとしまして、下記の事柄が挙げられます。
- 経営状況分析機関が行う異常値確認のための基準を見直すとともに、一定の基準に該当する申請については直接審査行政庁に情報提供する仕組みを創設
- 審査行政庁が行う完工高と技術者数値の異常値検出の相関分析を見直し・強化
- 審査行政庁と経営状況分析機関の連携を強化し、虚偽申請の疑いのある業者に対しては重点審査(証拠書類の追加徴収・原本確認、対面審査、立入等)を実施 重点審査(証拠書類追加徴収原本確認、対面審査、入等)を実施
1.経営状況分析機関が行う異常値確認のための基準を見直し
経営状況分析機関で実施している疑義チェックについて、倒産企業や処分企業の最新の財務データを用いて、指標や抽出基準の見直しが行われました。(⇒経営状況分析申請とは)
抽出基準については次の項目が推測されます。
- 勘定科目の数値が前年度と比べて差が大きい
- 未成工事支出金・未成工事受入れ金が異常に多い
- 利益額の増減が繰返されている
- 特別損失が売上高に対して多い
- 雑収益・雑損失が相対的に大きい
これら項目に疑義が生じますと、追加書類・勘定科目内訳書の提示を求められ、具体的な内容が問われます。
さらに、これらの内容を審査行政庁に情報提供される仕組みとなり、かなり厳しいものになっています。
2.審査行政庁が行う相関分析を見直し・強化
完成工事高と技術職員数値の相関分析について、最新のデータに基づいて相関分析の見直しと強化がはかられています。
- 「虚偽申請」に関する情報がある業者
- 技術者1人の完成工事高が過大で、工事高の水増しが考えられる
- 外注費の割合が多い
- 完成工事高の増加や減少が急激な業者
- 消費税確定申告書の課税標準額より売上高が大きい
- 技術職員数と人件費の伸び率がアンバランス
- 税務署が公表しているデータと経営事項審査のデータに相違がある
3.審査行政庁と経営状況分析機関の連携を強化
審査行政庁は登録経営状況分析機関から、これらの情報提供を得ることによって虚偽申請の疑いのある企業を選定し、証拠書類の請求や原本確認、対面審査、立入り調査を行い、虚偽申請防止策を強化しています。
経審の電子申請が2022年度よりスタート
国土交通によると、2022年度より建設業許可申請・経営事項審査申請について電子申請を開始するととなりました。
また、申請者側と行政庁側の双方の負担を軽減するため、申請書類の簡素化についても同時に検討が進められています。
書類の簡素化については必要な審査制度を保つため、提出書類に関する事後チェック体制の強化や虚偽申請発覚時の処分の厳格化等についても併せて検討されるようです。
虚偽申請による営業停止期間
以上からもわかるように、現行の経営事項審査は、虚偽申請が行いにくいように制度設計されています。
そして、「虚偽申請は割にあわない」ことを示すために、虚偽申請が発覚した場合の営業停止期間は30日以上とされています。
社会性の項番52「監査の状況」で加点処置を受けたにも関わらず、財務諸表などの虚偽申請が発覚した場合、さらに15日加重され、かなり重いものとなっています。
通常の経審虚偽申請 | 営業停止30日以上 |
監査の受審状況での虚偽申請 | 営業停止45日以上 |
私が、経営事項審査の部署を担当していたときも、こういった虚偽の申請書と遭遇したことは何度もありました。
バレないだろうと…と巧みに書いたつもりでも、プロの目からみれば虚偽の申請書かどうかなど一目瞭然なのです。
虚偽申請で営業停止にならないためにも、正直に申請書を作成し申請してください。
大阪で経営事項審査(経審)の申請代行を依頼する
いかがだったでしょうか?経営事項審査の虚偽申請についての解説でした。(⇒経営事項審査ガイドに戻る)
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