アスベスト除去工事を行う場合、建設業許可が必要となるのでしょうか?
また、建設業許可のほかに何か必要な許可はあるのでしょうか?
ここでは、当事務所によくある質問の中から、アスベスト除去工事に必要な許可について解説します。
解説は建設業許可を専門としている行政書士がします。
目次
アスベスト(石綿)とは
代表的なものは蛇紋石系(じゃもんせきけい)のクリソタイル(白石綿)、角閃石系(かくせんせきけい)のクロシドライト(青石綿)及びアモサイト(茶石綿)の3種類となります。
アスベストは、耐熱性、耐薬品性、絶縁性等の特性があり、安価な工業材料であることから、建設資材にも使用されており、その繊維が極めて細いため、大気中に飛散すること、吸い込む事が大きな問題となっています。
アスベストは主に建材に使用されていますが、吹付けアスベストはビルの耐火材、耐熱材として、昭和31年から昭和50年初頭までに使用されていたことことがあります。
現在、これらのビルの解体時期にかかっており、アスベスト除去工事は注目を浴びています。
アスベスト(石綿)が使われていた場所
アスベスト(石綿)は生活のいたるところで使用されていました。
石綿の用途は3,000種といわれるほど多いのですが、大きくは石綿工業製品と建材製品に分けられ、その約8割は建材製品です。
石綿を使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。
また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音等の目的で使用されてきました。
その使用形態は、代表的なもので、吹き付けアスベストや吹き付けロックウール等があります。
アスベスト除去工事は建設業許可が必要?
アスベスト除去工事を行う場合、直接的に建設業許可が必要となることはありません。
なぜなら建設業29業種の中に、アスベスト除去工事がないためです。
しかしながら、アスベスト除去工事以外の付随する工事においては、500万円以上の請負代金である工事を請け負う場合は、建設業許可が必要となります。
例えば、解体工事が伴う場合は、解体工事業やとび、土工工事業が必要となります。
ほかにも、内装仕上工事業や塗装工事業が必要となる場合も多くのケースでみられます。
とび・土木工事業
建屋等の建造物の部分的解体を行う場合などに、必要となるケースがあります。
解体工事業
躯体や土間等の解体含む、建屋の解体を伴う場合、必要となるケースがあります。
内装仕上工事業
内装工事をする場合に、必要となるケースがあります。
塗装工事業
外壁塗装などの剥離等に、必要となるケースがあります。
建設業許可以外に必要な許可や資格はありますか?
産業廃棄物収集運搬業の許可
廃棄物処理法に規定されている特別管理産業廃棄物(飛散性アスベスト廃棄物)とそれ以外の産業廃棄物廃棄物(非飛散性アスベスト廃棄物)に分けられます。
飛散性アスベスト廃棄物を廃棄場に運搬する場合、特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。
また、非飛散性アスベスト廃棄物の場合は、一般産業廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。
石綿作業主任者技能講習
アスベスト除去工事をする際に、石綿作業主任者を現場に設置しなければなりませんが、石綿作業主任者は労働安全衛生法で定められた技能講習を修了したものでしかられませんし、作業員は石綿特別教育がひつようとなります。
アスベスト除去工事の届出
アスベストの除去工事を行う際は、工事を行う際に以下行政庁に届出をする必要があります。
ただし、レベルの種類によっては提出が不要なものもあります。
14日前までに | 所轄労働基準監督署長 | 工事計画書 |
14日前までに | 都道府県知事 | 特定粉じん排出等作業届出書 |
作業前までに | 所轄労働基準監督署長 | 建築物解体等作業届出書 |
アスベストの特殊健康診断
アスベストを取り扱う事業者は、労働者に対して半年に1度は特殊健康診断を受けさせなければなりません。
特殊健康診断は、2次診断まであり、主に業務の経歴の調査やせき・たん・息切れ・胸痛などの症状の有無の検査、エックス線撮影などの検査が行われます。
石綿作業従事者に対する健康診断
1.健診の対象
(1)石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造する業務に常時従事する労働者
(2)過去においてその事業者で、石綿等の製造又は取り扱い業務に常時従事したことのある在籍労働者
(3)(1)及び(2)の業務の周辺で、石綿の粉じんを発散する場所における業務(周辺業務)に常時従事する又は常時従事したことのある労働者
2.健診の実施時期
1.雇入れ時又は当該業務への配置替えの際
2.定期健康診断(6ヶ月以内ごとに1回)
3.健診の項目
一次健康診断
(1)業務の経歴の調査
(2)石綿によるせき,たん,息切れ,胸痛等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査
(3)せき,たん,息切れ,胸痛等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査
(4)胸部のエックス線直接撮影による検査
二次健康診断
(1)作業条件の調査
(2)胸部のエックス線直接撮影による検査の結果、異常な陰影がある場合で、医師が必要と認めるときは、特殊なエックス線撮影による検査,喀たんの細胞診又は気管支鏡検査
建設業許可の取得を依頼する
いかがだったでしょうか?アスベストと建設業許可についての解説でした。
アスベスト除去工事においても建設業許可が必要になるケースは大いにあります。
このように、建設業許可を取得した後も、様々な専門的な知識が必要となります。
しかしながら、日々忙しい中で、これら専門的な知識を身につけるのは、簡単なことではありません。
そういった場合、専門的に手続きを行ってくれる行政書士事務所に依頼するのも一つの手かと思います。
当事務所に依頼すれば、法律的なアドバイスも含め面倒な申請も一任で行わせていただいております。
当事務所は、建設業許可の許可取得を含め数多くの実績があり、最も得意としているところです。
また、建設業許可の取得代行はもちろん、更新申請や変更などの建設業許可取得後の各種手続きもフルサポートさせていただいております。
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