一般的には会社設立後2年は消費税が免除されます。
しかし、消費税の納税が必要になるケースが2パターンあり、それぞれ「新設法人に該当する旨の届出書」「消費税簡易税制度選択届出書」の届出を行います。
本記事では、この消費税に関する届出について解説していきます。
目次
会社設立後の新設法人に該当する旨の届出書
会社は、原則として取引して受け取った消費税から、取引で支払った消費税額を差し引いた額を納付しなければなりません。
しかし、新設法人で資本金が1,000万円未満の場合、設立2年目までは原則免税事業者として消費税の納付が免除されます。(⇒新設法人の消費税免除の詳細)
ただし、設立時に資本金が1,000万円以上の場合は、新設法人でも課税事業者になるため、その場合は「新設法人に該当する旨の届出書」を税務署に提出し、消費税の納付が必要となります。
①提出年月日と、本店所在地を管轄する税務署名を記入する。
②会社名、納税地(本店所在地)、法人番号、代表者の氏名、住所などを記入する。印鑑は代表者印。
③事業年度開始の日を記入する。
④会社の設立年月日、事業年度、事業内容を記入する。
会社設立後の消費税簡易課税制度選択届出書
前述したように、設立2年目までは免税業者と取り扱われますが、この免税事業者をやめ、自ら課税事業者になることもできます。
課税事業者を自ら選択するメリットとしては、消費税の還付を受けることにあります。
会社設立時に設備投資によって消費税を支払った方が、取引して消費税を受け取った額より大きい場合は、還付してもらったほうが税制面で有利になる場合が多いのです。
その場合は、自ら課税事業者になることを選択し、「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出します。
①提出年月日と、本店所在地を管轄する税務署名を記入する。
②会社名、納税地(本店所在地)、法人番号、代表者の氏名、住所などを記入する。印鑑は代表者印。
③簡易課税を選択する事業期間を記入する。
④事業の内容と事業区分を記入する。
事業区分は以下のものから選ぶ
【第一種事業】卸売業
【第二種事業】小売業
【第三種事業】製造業、農業、建設業など
【第四種事業】飲食店業、その他の事業
【第五種事業】金融業、サービス業など
【第六種事業】不動産業
⑤提出要件について記入する。
簡易課税方式とは
納付する消費税額は、原則売上に対する消費税額から、仕入れに対する消費税額を差し引いて求める課税方式を採用しています。
しかし、消費税簡易課税制度選択届出書を提出することにより、簡易課税方式採用することもできるようになります。
簡易課税方式とは、支払った消費税を、受け取った消費税一定率(みなし仕入率)を掛けて算出する方式となります。
卸業 | 90% | 飲食店業、その他の事業 | 60% |
小売業 | 80% | 金融業、サービス業など | 50% |
製造業、農業、建設業など | 70% | 不動産業 | 40% |
消費税に関する届出と一緒に税務署に提出するもの
その他消費税に関する届出と一緒に税務署に提出するものは下記のものとなります。
なお、「棚卸資産の評価方法の届出書」「減価償却資産の償却方法の届出」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」「消費税簡易課税制度選択届出書」は任意で、「新設法人に該当する旨の届出書」は資本金が1,000万円以上の場合に提出となります。
・青色申告の承認申請書(⇒青色申告の承認申請書の詳細)
・法人設立届出書(⇒法人設立届出書の詳細)
・棚卸資産の評価方法の届出書(⇒棚卸資産の評価方法の届出書の詳細)
・減価償却資産の償却方法の届出書(⇒減価償却資産の償却方法の届出書の詳細)
・給与支払事務所等の開設届出書(⇒給与支払事務所等の開設届出書の詳細)
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(⇒源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の詳細)
大阪で開業・起業支援サポートを依頼する
いかがだったでしょうか?会社設立後にする届出「消費税に関する届出」についての解説でした。(⇒会社設立後の届出ガイドに戻る)
アカツキ法務事務所では、会社設立や創業融資サポートなどの起業支援、営業に必要な許認可や外国人の就労ビザの取得代行など行っております。
また、他士業の専門業務に関しましても広く提携を結び、サービスを提供させていただいております。
ご依頼・ご相談に関しまして、お気軽にお問い合わせください。(⇒お問い合わせする)