定款に記載すべき事業目的はある程度書き方が決まっています。
本記事では、会社設立で失敗しない事業目的の決め方について解説していきます。
目次
定款の事業目的の決め方
会社設立の際に必ず作成しなければならないのが定款です。
この定款には絶対な書き方のルールはありませんが、第1条に商号、第2条に事業目的を明記するのが一般的となっています。
「商号」と並び「事業目的」は、会社設立の大切な事項になっています。(⇒商号の決め方はこちら)
この決定が後々、会社の経営に響いてきたりもしますので、失敗しないためにも事業目的ついて学んでいきましょう。
事業目的はある程度書き方が決まっている
定款に記載すべき事業目的はある程度書き方が決まっています。
管轄の法務局の登記官の判断で、登記できるかどうか決める裁量がありますので、あまり枠線からはずれない事業目的にしましょう。
保険代理店の例:
- 保険代理店業務
- 損害保険代理店及び生命保険の募集に関する業務
不動産の例:
- 不動産の売買、仲介、賃貸及び管理
- 不動産、住宅設備機器及びそれらの使用権の売買、賃貸及び管理
飲食業の例:
- 飲食業
- インターネットカフェ、喫茶店、飲食店の経営
許認可事業の場合は形式がきまっている
許認可事業の場合・「〇〇事業」という記載しか許認可を受けられないという場合があるので、注意が必要です。
例えば、建設業の場合、
建築工事を目的とする場合は「建築工事業」
土木工事を目的とする場合は「土木工事業」
と記載が必要になります。(⇒建設業許可で必要な定款の書き方)
また、会社を設立してから許認可申請をするときに、必要な事業目的の記載が定款になければ、定款を変更する事態にもなりかねません。
許認可事業を目的とする場合は特に注意が必要です。
その他の留意すること
その他で、事業目的を決める際に留意しておく項目をいくつか下記します。
法律上無理というわけではないのですが、後々会社に不利になる場合もあるので、留意しておきましょう。
- 「金融業」の目的は融資が受けれない
事業目的はとにかく並べばいいというものではありません。例えば、やるつもりもないのに「金融業」と事業目的に書いてしまうと、金融機関から融資がうけられない場合もあります。
- 目的は欲張らないこと
例えば、行う予定もない事業目的を数多く記載しておくと、第三者から「何をしている会社なのかわからない」と疑問を持たれます。最悪、怪しい会社だなと思われてしまえば、取引先との関係も悪化したりする場合もあり、会社にとっては不利益しかありません。事業目的はあれもこれもではなく、将来予定している事業をどれにするか絞ってまとめておきましょう。
事業目的にできないケース
定款には、会社設立後に会社が行う事業を「目的」として記載しなくてはならないのですが、中には法律的に事業目的にできないケースもあります。
そのケースとは主に、下記となります。
これら、事業目的にできないケースに関しましては十分に留意して、定款を作成しましょう。
- 【適法性】法律違反となるような目的は「適法性に欠ける」ものとして、定款の目的に入れることはできません。例えば、「馬券の販売」や「麻薬の売買」などは違法として認められません。
- 【明確性】語句の意味が一般の人に理解できないようなものは、明確性に欠けると判断さる場合があります。例えば、「雑務」など何を目的とするか明確性にかけます。
- 【具体性】今日の会社法では、具体性について問われなくなりましたが、許認可申請や銀行の融資の際には審査が対象となるので、抽象的すぎないように注意をしましょう。例えば、建設業で「電化製品の設置取付け、修理、メンテナンス」だと、何の業種を営業するか具体性に欠けます。「電気工事業」と具体的に記載しましょう。
- 【営利性】株式会社の目的には営利性が必要になってきます。例えば「ボランティア活動」や「慈善団体への寄付」などは営利性がないと判断されます。
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いかがだったでしょうか?会社設立で失敗しない定款作成の解説でした。(⇒定款作成ガイドに戻る)
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