「創業の動機」では、今までに行ってきた事業に対する取り組みを書くことによって、読み手の心証をよくする目的があります。
本記事では、この事業計画書における「創業の動機」について詳しく解説していきます。
目次
事業計画書の創業の動機とは
「創業の動機」では、主に今まで行ってきた事業に対する取り込みについて書いていきます。
基本的に、融資担当者はこの「創業の動機」での、創業者の”熱い想いや信念”などの動機に関して重要視していません。
たとえ、事業に対する熱い想いを持っていたとしても、返済能力があるかどうかの判断することに直結してこないからです。
金融機関は慈善事業で、事業資金を貸し出しているわけではないので、貸し出した以上は必ず回収しなくてはなりません。
そのため、事業に対する熱い想いを書き込んでも、意味がないのです。
つまり、ここで必要になるのは、熱い想いではなく、融資担当者の心証をよくするための、事業に対して今までのどのようなことに取り組んできたかの姿勢を示すこととなります。
駄目な例× | ストレスと食生活の乱れから、体を壊してしばらく働けない時期がありました。当時は自分の体を早く回復させたい事もあり、食生活を改善するため、栄養バランスを考えたメニューなど研究していました。おかげさまで、健康を取り戻すことができました。以前の私と同様に現代の働くサラリーマンは、あまり栄養バランスなども気にせずに食生活を送っていて心配になります。そこで、その時の経験を活かし、安心で栄養バランスがしっかりとれたメニューを皆様の健康のため、提供したいと思い創業することとしました。 |
良い例〇 | 調理学校を卒業してから、これまで3店舗の和食の飲食店で勤務してきました。勤務先では、調理からホールまで一通り経験してきました。また、3年程前から、経営の勉強や人脈を増やすために、経営セミナーや事業者交流会に参加してきました。この度、難波駅の近くに最適な物件を確保することができましたので、インバウンド向けの和食レストランを開業することとしました。 |
「創業の動機」書き方のポイント
それでは、創業の動機の書き方のポイントとしては以下のものが挙げられます。
これらのポイントは、すべて「創業の動機」に盛り込む必要はありませんが、なるべく意識して書いていきましょう。
・経験を活かした事業である
・競合店との差別化が読み取れる
・新規性や独自性が読み取れる
・顧客確保のめどがたっている
・起業準備の取り組みが読み取れる
この事業計画書は、どういった事業内容に係ったものなのか、概略を書く必要があります。
なぜなら、事業計画書全体を読み通して、どういった事業内容なのかを把握するよりも、この冒頭である「創業の動機」で先に概略が分かった方が、スムーズに理解してもらえるからです。
経験に勝る知識なしと言われているように、全くの素人が始める事業よりも経験則に基づいて始める事業の方が有利なのは明白です。
長年磨き上げたノウハウに関連する事業だということを書くことによって、心証は断然によくなります。
同じ飲食店をするにしても、競合店との差別化が読み取れる方が心証はよくなります。
たとえば、上述した例ですと、インバウンド客を目的とした和食レストランであことが伺えます。
現在、大阪難波へ訪れるカスタマーは、半分以上外国人観光客となっており、インバウンド向け事業の業績も右肩上がりになっています。
事業内容に新規性や独自性があれば目を引きます。
新規性や独自性があれば、話題になる確率が高くなるからです。
すでにカスタマーを確保するめどが立っていれば、これ以上にない審査上のアピールとなります。
例えば、外国人観光客向けのフライヤーやチラシに掲載する、SNSなどに公告を掲載する予定である、SNSでフォロワー数がすでに多いなどが考えられます。
起業するために準備をしてきたことについて書くと良いでしょう。
例えば、「ビジネススクールに通ったことや」「人脈を広げるために事業主交流会に足を運んだこと」「様々な競合店を視察でまわったこと」などが考えられます。
「創業の動機」の良い記入例
これらのポイントを押さえた、「創業の動機」の良い記入例を見ていきましょう。
現在、世界中でグローバル化が起き、事業の在り方が変容してきています。日本でも例外ではなく、海外からの旅行客も増え、インバウンド市場が拡大の一途を辿っています。私は整体院に3年勤め、整体・マッサージの経験があります。さらに学生の頃は中国への留学も経験しています。そのため、日本語はもちろん中国語での会話もできることが強みとなります。さらに日中の友好関係も良好であり、今後ますます中国人観光客が増加して行くことが予測されます。これら理由が決め手となり観光客をターゲットとした足つぼマージ店での起業を決意しました。
これまで10年間、介護士として介護業界で従事しておりました。勤務していた介護事業所では、必ずしも要介護者の目線で親身になっているとは言えませんでした。私は、自分なりの親身になった介護方法を実践したところ、要介護者から喜ばれ信頼されるようになりました。介護事業所で経験がある、事務者や介護士の人材を確保することができましたので、開業を決意しました。
大阪で創業融資・補助金申請を依頼する
いかがだったでしょうか?事業計画書の「創業の動機」についての解説でした。
アカツキ法務事務所では、事業計画書の作成代行はもとより、創業融資や補助金申請などの起業支援を行っております。
融資や補助金申請に必要な事業所計画の作成はとても煩雑で、専門性が高いために難しい作業となります。
こういった専門性の高い書類は、書類作成のプロにご依頼いただいた方が、成功率は高くになります。
当事務所では、専門的な言葉を使わずに、ゆっくりと丁寧にお客様からヒアリングを行った上で、融資や補助金を受けやすい書類を作成していきます。
起業支援なら、当事務所に是非おまかせください。(⇒申し込みをする)