借入金を資本金にすることは違法となります。
これは見せ金といって、借りたお金で会社を設立することはできないのです。
本記事では、この資本金の融資について解説していきます。
目次
資本金の融資(見せ金)は違法
借入れをしたお金を資本金にあて、会社設立後には資本金としていたお金を返済する行為を、見せ金と呼びます。
見せ金は、資本金に相当する資金があることを見せかけておきながら、実際にはそれに見合うお金が存在しないので、債権者を欺く行為となります。
そのため、融資を受けたお金で、会社設立(資本金にする)することは違法となるのです。
その他、銀行や信用金庫からの借り入れ、カードローンや親からの借金なども同様に、すべて不可です。
資本金はあくまでも自己資金なので、他人のお金を流用することはできません。
資本金の預合い
さらに悪質な違法行為に預合いがあります。
預け合いは、見せ金のように発起人が主体でする行為とは異なり、金融機関と発起人が共謀して行います。
例えば、金融機関からお金を借入し、そのお金を同じ発起人の口座に入金するというもので、口座内で数字だけの操作をします。
預合いも、資本金を信じて取引を行おうとしている債権者を欺く行為として違法となります。
資本金の2倍は融資が可能
金融機関からの融資は資本金の2倍までなら借入可能であるとよく言われています。
例えば、見せ金で300万円の資本金の会社を設立したとすると、設立後600万円まで融資を受けれるということになります。
もちろん見せ金なので、元手となる資本金は実際はありません。
こういった債権者を欺く行為を防止するために違法となっているのです。
しかし、逆を返せば、債権者を欺く行為でなければ違法ではなくなります。
債務の株式化
上記の、見せ金や預合いとは異なり、借入金を資本金に振り替えれば違法とはなりません。
これは債務の株式化およびDES(デット・エクイティ・スワップ)とも呼ばれ、増資のために積極的に使われています。
DES(デット・エクイティ・スワップ)では、債務者である会社は、借入金を返済しないかわりに債権者に株式を発行します。
他方、債権者は貸付金を回収できないかわりに債務者である会社の経営権を握ることができるのです。
そのため、見せ金や預合いとは大きく異なるのです。
会社設立時には、以上の事をふまえながら慎重に資本金額を決めましょう。
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いかがだったでしょうか?資本金の融資についての解説でした。(⇒会社設立後の資金調達ガイドに戻る)
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