会社設立後、会社を経営していく上で最も重要なものが運転資金です。
本記事では、会社の運転資金について解説していきます。
目次
会社設立の費用「運転資金」の重要性
会社設立後3年で6割の会社が倒産しているという、データがあります。
その主な理由は、資金繰りに失敗してです。
せっかく会社設立しても、運転資金が底をつき経営破綻してしまうと元も子もなくなります。
そうならないためにもしっかり、知識をつけ準備をした上で経営にのりだしたいですよね。
それでは、会社を経営をしていく上で運転資金は必要いくら必要になるのか、見ていきましょう。
黒字倒産を避ける運転資金とは
会社を経営していく上で必要な費用「運転資金」について、起業・開業する前から理解を深めておきましょう。
運転資金とは、「通常の業務を続けていく上で必要になる資金」のことです。
これを言い換えれば、「入金と出金のタイミングがずれるために必要になる資金」となります。
この、運転資金が底をつき黒字倒産になってしまった会社の例はいくつもあります。
※黒字倒産とは帳簿上は利益が出ていると言った黒字経営でありながらも資金が足りずに倒産することを指す言葉です。
売上が上がる=資金繰りが楽になるではない?
運転資金を考えるときに、必ず押さえておかなければならないのは、「売上が上がれば上がるほど、運転資金が多く必要になる」という考え方です。
「売上が上がる=資金繰りが楽になる」ではないので、その点を把握しておきましょう。
実際、売上が上がっていても、資金繰りが苦しい企業がいくらでもあります。
ここの判断を誤るといくら稼いでも一向に楽にならないのです。
融資を受けすぎてもだめ
どのくらいの融資を、うければいいのかよくわからない企業に多い事例で、多く借り過ぎるという事があります。
これはデメリットの方が大きく、あまりお勧めできません。
特に、運転資金を十分に把握しきれていないがために、必要以上に運転資金を銀行から借りてしまうケースが多く見られます。
デメリットとしては、
- 必要よりも多く借りることにより、払わないでもいい利息まで払ってしまっている。
- 必要以上の借入をすることにより、銀行の格付けが下がる可能性がある。
と、いうことが挙げられます。
それでは、いったいどれくらいの運転資金がベストなのか見ていきましょう。
運転資金の計算方法
それでは、運転資金を算出するにはどうしたらいいでしょうか。
わかりやすく説明すると、必要な運転資金は「売掛金」+「在庫」-「買掛金」となります。
売掛金とは、毎月に売上
買掛金とは、取引先への支払い
在庫とは、そのまま在庫
と置きかえてみたらもっとわかりやすいかもしれません。
運転資金の計算方法の例
それでは実際、金額にあてはめて計算してみましょう。
売掛金100万円×3ヶ月分=300万円
買掛金50万円×2か月分=100万円
在庫30万円×3ヶ月分=90万円
売掛金300万円+在庫90万円-買掛金100万円=運転資金290万円
と算出することができます。
つまり、運転資金は350万円となります。
銀行に「とりあえず運転資金を貸して」は禁句
「とりあえず運転資金を貸してほしい」と銀行に相談したら断られた。
という話をよくお耳にします。
ついつい口にだしてしまう「とりあえず運転資金」というフレーズ。
これは実は銀行に対して、大きな禁句となるのです。
そんな禁句を使ったが為に、本当であれば調達できた資金が調達出来なくなってしまったという例もいくつもあります。
銀行員は「とりあえず」と聞くと、
「本当の資金の使い道を本人が理解していない・・・・」
→経営能力が低い
「本当の資金の使い道を隠しているかも知れない・・・」
→嘘をついている
「とどのつまり、赤字の補てん資金に違いない・・・」
→業況が極めて悪い
と、判断されかねないからです。
そう判断されないためにも、運転資金のことをしっかり把握して事業計画をしっかりつくっていく必要があるのです。(⇒融資制度で資金調達する)
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いかがだったでしょうか?会社設立に必要な費用「運転資金」についての解説でした。(⇒会社設立の費用ガイドに戻る)
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